ゴールデンウィークに奇跡の復活! 『インセクトランド』未公開話4本が素晴らしかった

GWに奇跡の復活『インセクトランド』

 毎週、「ほとんどの作品を観ている」アニメライター・はるのおとによる週刊連載「【アニメ】神回・オブ・ザ・ウィーク」。4月22日から4月28日に放送された分から注目の“神回”をピックアップ!(編集部)

 ゴールデンウィークに突入しました。多くの人にとっては休みが続いて楽しいはずで、筆者も例に漏れずたまの休日に胸を躍らせているのですが、うっかり遠出なんてしてしまうと未視聴アニメが溜まり過ぎてその後がしんどい……というのはアニメファンにとっては“あるある”でしょう。こういう時、配信視聴派に比べると録画派は弱い。

 というわけで、今回はそんなゴールデンウィークを構成する祝日のうちのひとつ・こどもの日にちなんで、子供向けアニメの神回を紹介していきます。

蛍二十日に蝉三日……なGW必見のアニメ『インセクトランド』

インセクトランド 第14~26話【自然教育アニメ】「ラファエルのスーパーガシャリンコ!」ほか│昆虫アニメ│INSECT LAND(2022)

 『インセクトランド』はホタルのアダムを主人公に、さまざまな昆虫が暮らすインセクトランドの日常を描きながら昆虫について学べる5分ほどのショートアニメ。NHK Eテレで2022年4月から放送されていたのですが、原作絵本の作者である香川照之さんの不祥事に伴って第22話で放送中止に。残りの話数が観られることはあるのか……と残念に思って2年弱、未放送の4話分を含む全26話がYouTubeで突然公開されました。

 そんな曰く付きかつ待望の作品が、ゴールデンウィークだけの期間限定でしかもYouTubeだけとはいえ公開される裏には、担当者のいろんな苦労があっただろうと想像して勝手にありがたくなるのですが、それ以上に未放送の4話分が素晴らしかった。なかでも第25話はアダムをはじめとするいつもの昆虫たちが、大きな石を見つけたことをきっかけに古代にタイムスリップ! そこから昆虫の進化や地球の変遷を知るという、これまでの話の規模感からは考えられないほど壮大で、しかもEテレらしくタメになる話でした。

 『インセクトランド』はエピソードの最後に教訓めいた言葉が語られるのですが(「アイカツ!格言」みたいなものです)、この話のそれは「いのちのバトンをつなげよう」。エピソードの壮大さの一端が感じられるのではないでしょうか。

 さらに残る未放送の3話も、想像力の素晴らしさをファンタジックに称える第23話や優しいサプライズにほっこりする第24話、そして万感胸に迫ること必至な第26話と入魂のエピソードばかり。これを2022年当時に放送できなかったの、関係者は悔しかったろうなあ……。

 あと前編1時間、後編1時間という動画のまとめ方もよかった。筆者も1歳になる娘の面倒を見ていてわかりましたが、家事をする間に流しておく、子供に夢中になってもらう動画は長めなほうが嬉しいですよね。ちなみにこの動画が見られるのは5月5日まで。まるでホタルの一生のように短く儚い公開期間なので、お見逃しなく。

こういう1話がうれしいたのしいやさしいいとしい『わんだふるぷりきゅあ!』

わんだふるぷりきゅあ! 第13話 予告「キュアニャミーを探せ!」

 2月から始まった『わんだふるぷりきゅあ!』(以下、『わんぷり!』)は動物がモチーフで、殴る蹴るといった戦闘描写も少なくほんわか風味。3人目のプリキュア・キュアニャミーが数話前から登場しているのですが、まだ仲間になっていません(3人目の加入がこんなに遅いのも珍しいような)。

 第13話はその正体不明のプリキュアを主人公のいろはが飼い犬のこむぎやクラスメイトの悟と一緒に探すというお話でした。べつに今回で仲間になるわけでもなく、言わば「つなぎの回」ではあるのですが、ただでさえコミカルな『わんぷり!』なのに絵も話もギャグテイスト強め。キャラクターのデフォルメも交えてテンポよく話が進み、さらにちょっと嬉しいからといろはとこむぎが仲良く手を振ったり、お母さんキャラもウキウキで鼻歌を歌ったりとキャラクターの所作がいちいちかわいらしい。とにかく楽しくなる1話でした。

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