【アニメ】神回・オブ・ザ・ウィーク
2024年春アニメも釘宮理恵はすごかった! 『Lv2チート』OPテーマに『グリム組曲』も
毎週、「ほとんどの作品を観ている」アニメライター・はるのおとによる週刊連載「【アニメ】神回・オブ・ザ・ウィーク」。4月15日から4月21日に放送された分から注目の“神回”をピックアップ!(編集部)
今やアニメ作品と同じくらい話題になる声優さん。つい先日も『ちびまる子ちゃん』のまる子役が菊池こころさんに変わったことが大いに注目され、TV番組『アニメ好き外国人がガチで投票!世界アニソン総選挙』(テレビ朝日系)には潘めぐみさんや堀川りょうさん、宮村優子さんが出演していました。そのタレント化に思うことがある人もいるようですが、アニメ作品、およびアニメ界の顔役として活躍する彼/彼女らへの敬意は忘れないようにしたいものです。
というわけで、今回は声優さんにまつわる神回を紹介していきます。
“釘宮病”再発者多数『Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ』
今期は『狼と香辛料』の新作におけるメインキャストの続投が放送前から話題でしたが、この『Lv2チート』も新作ながらものすごいことになっています。主人公のフリオ役が日野聡さん、ヒロインのフェンリース役が釘宮理恵さん(両名はWebラジオも担当。なお、ほかにもいい具合の中堅声優が多数います)。さらに岩崎良明監督にJ.C.STAFF制作と、どう見ても『ゼロの使い魔』です、本当にありがとうございました……という異世界ものなのですが、フェンリースがメインとなる第2話で、それまで明らかになっていなかったオープニングが、サプライズとして披露されました。
サプライズ、成功したかな!?
フェンリースでOPを担当させていただきました〜🎶頭が沸騰しそうなくらい恥ずかしかったけど頑張って歌いました〜😆
よろしくお願いいたします✨ https://t.co/qXLXYoEoCw— 釘宮理恵 (@rie_k_0530) April 15, 2024
これが一部の年代にはクリティカルヒット必至なド直球の萌え萌えソング&映像で放送直後から大反響。SNSでは「釘宮理恵」や「りぜるまいん」(という釘宮さんがOP主題歌「はじめて▽しましょ!」を歌う2002年のアニメがあったのです)といったワードがSNSでトレンド入りしましたが、一聴すればそれも納得の振り切れ具合です。『アニメ好き外国人がガチで投票!世界アニソン総選挙』にはランクインしないかもしれませんが、間違いなく日本アニメの特産品と言える逸品。そのインパクトに、アニメファンは『ゼロの使い魔』『ハヤテのごとく!』『灼眼のシャナ』といった往年の作品、あるいは前期の『月刊モー想科学』など印象的な釘宮さんの作品を挙げながら余韻に浸ったのでした……。
昨今、アニメ放送に先行してオープニング映像を公開する作品も珍しくはなく、それは他作品に先駆けて話題を集めたいという思いの表れなのでしょう。しかしそれとは逆にオープニングの情報を伏せておくという勇気、そして「2024年も釘宮理恵さんでこの曲なら話題を集められる!」という絶大な信頼から生まれたであろう見事な采配にとても感心させられました。
先週の釘宮さんと言ったらダークなこちらも『グリム組曲』第1話「シンデレラ」
閑話休題。先のオープニングが公開されて話題になった直後に『グリム組曲』の配信がNetflixでスタート。その第1話のメインキャラクターを釘宮さんが演じていたのは面白い体験でした。
『グリム組曲』は『グリム童話』にダークなアレンジが加えられた全6話のアンソロジーで、時代や世界観も原作とはまったく別。例えば第1話「シンデレラ」は、日本の華族(?)の家に新しい母親とその娘たちがやってきたところからスタート。前妻の娘として以前から住んでいた(シンデレラポジションの)清子に釘宮さんがキャスティングされていたのですが、無邪気なロリ少女と思わせておいてのナチュラルな性悪さが絶品。「フェンリースみたい典型的なのも強いけど、釘宮さんはこういう底知れない感じもいいよね〜」と再確認させられた次第です。そして、誰もが知る原作のアレンジ具合も面白かった。
ちなみに本作のキャラクター原案はCLAMPなのですが、『君たちはどう生きるか』のアニメーターが複数参加している第6話「ハーメルンの笛吹き」はどことなくジブリ風味が加わり、他エピソードと比べてかなり独特な味わい。こちらも必見です。