冬&春アニメ、6大トピックス 『ガルクラ』『ヨルクラ』大ガールズバンド時代到来か!?
春アニメもポツポツと始まっていますが(今期は久々に毎週80本ほど観られることになりそうで、嬉しい限りです)、冬アニメが『闇芝居』第十二期でようやく一段落しました。このタイミングで、筆者が冬アニメを72作品ほど見終えて感じられた3つのトピックと、春アニメをザッと眺めての展望を簡単に触れていきます。
冬アニメ重大トピック1:歌ものアニメがない!
筆者の連載(【神回】オブ・ザ・ウィーク)でも以前触れましたが、冬アニメにはアイドルや歌をメインテーマにしたアニメが存在しませんでした。『ラブライブ!』などが流行した2010年代前半以降は毎クールそういった作品が必ず存在し、多い時は数作品楽しめたイメージがあるだけに、この事態はかなり残念。明確な大手がシリーズ展開を続けていて新作はヒットが難しい、もうCDは商売になりづらい、コロナ禍で(現実世界における)ライブの客足が遠のいたなどいろんな理由があるのかもしれませんが……。
オーイシマサヨシがまさかのアニメ化 『道産子ギャル』の注力箇所が“なまらめんこい”
毎週、「ほとんどの作品を観ている」アニメライター・はるのおとによる週刊連載「【アニメ】神回・オブ・ザ・ウィーク」。3月18日から…
そんななかでも『魔法少女にあこがれて』第9話のロコや『道産子ギャルはなまらめんこい』第11話のオーイシマサヨシ(キャラクター)などが印象的なライブを見せてくれました。以前からその傾向はありますが、別ジャンルのアニメでも当たり前にフィーチャーされるくらい、歌唱やライブシーンはすっかり定着したという見方もできるかもしれません。
冬アニメ重大トピック2:現実世界と異世界の距離が近付いた
歌ものとは逆に、増え続けているのが小説家になろう発の“なろうアニメ”をはじめとする異世界/ファンタジー世界を扱うアニメです。転生を伴わないものも含めると冬アニメにも10作品強ありましたが、その世界観の扱われ方が変わってきた……具体的には現実世界と異世界の距離が近くなったように感じました。
『俺だけレベルアップな件』や『佐々木とピーちゃん』は現実世界と異世界を頻繁に行き来し、『外科医エリーゼ』は第1話で、『結婚指輪物語』も終盤で現実世界と異世界を往復しました。もちろんこれまでもそうした作品はありましたが、これほど多かったのは珍しいのでは。単純な異世界転生が飽和状態となり、悪役令嬢や追放系などが流行ったのと同じく、原作となる小説界隈の流行を追従して表れた傾向でしょう。
冬アニメ重大トピック3:オリジナルアニメの存在感
アニメ関係者と話していると「ヒットを見込みづらいから最近はオリジナル作品の企画が本当に通らない」とよく聞かれますが、冬アニメに限ってはオリジナルアニメの存在感が強烈でした。『勇気爆発バーンブレイバーン』は言うに及ばず、『SYNDUALITY Noir』(第2クール)や『ぶっちぎり?!!』『ぽんのみち』『明治撃剣−1874−』『メタリックルージュ』、そして『月刊モー想科学』と、好みはあるでしょうがそれぞれに個性を爆発させていました。こうしたオリジナル作品に関しては、原作のある作品に比べて注目度が低くなりがちなぶん、いい回があったら余計に褒めたくなりますよね。