『Destiny』12年後の真樹の姿は亀梨和也の真骨頂 奏と再び惹かれ合う“危険な”展開に

『Destiny』12年後の真樹は亀梨和也の真骨頂

 奏(石原さとみ)の前に姿を消したかつての恋人・真樹(亀梨和也)が12年ぶりに現れた『Destiny』(テレビ朝日系)第2話。

 恋人も友達も一気に失ったあの事件以来、抜け殻になり生きているのに死んでいるような日々を送っていた奏。そんな奏に“魔法のお湯”を差し出し、生きる気力を取り戻させたのが現在の恋人・貴志(安藤政信)だった。

 貴志と時間をかけて育んできた信頼関係や2人の距離感が描かれたが、貴志の前での奏はいつだって冷静で、取り乱すことはなさそうだ。もちろん互いに忙しく充実した仕事を持つ者同士、さらに年齢のこともあるかもしれないが、それにしてものめり込み溺れていった真樹との初恋との温度感の違い、ギャップが際立つ。同じ“彼氏”でも相手が真樹の時と貴志の場合では、奏の中では全くの“別物”のようだ。

 そして貴志からのプロポーズを受けた直後に、真樹は何の前触れもなくふらっと現れた。今まで一体どこで過ごし、どんな暮らしをしていたのだろうかと想像を掻き立てられるほどに、12年間まるで彼だけ時が止まっていたかのように何も変わっていない。それがこの会っていない12年間の月日がそれぞれにとって全く異なるものだったことを物語り、切なさが増す。

『Destiny』第2話

 自分と付き合っていた時に目指していた夢を叶え検事になった奏を前に、姿をくらまし生きるしかなかった真樹は何の他意もなしに卑屈にもならずに「すごいな、頑張ったんだな」と真っ先に言う。真樹との記憶に何とか蓋をして頑張って変わらざるを得なかった(大人にならざるを得なかった)奏と、あの頃と何も変わらず大学のキャンパスにいても奏ほどの場違い感が出ない真樹。

 奏にとって本当は検事になれたことをすぐさま報告したかった相手から、時を経てこんなにもいとも簡単に繰り出される承認と賞賛の言葉が、あまりにも空虚に響く。一緒に時間を重ね大人になれなかった時間軸の違いと、もう巻き戻せない時の重さが一気にのしかかる中、変わらず飄々としている真樹のことが奏からすれば憎らしくもあるのだろう。

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