『虎に翼』伊藤沙莉演じる寅子の苛立ち爆発「結婚って罠」 視聴者に突きつける厳しい現実

『虎に翼』寅子の苛立ちが爆発

 『虎に翼』(NHK総合)第8話で、寅子(伊藤沙莉)はよね(土居志央梨)を追いかけ、思わぬ形で裁判所へとやってきた。寅子は初めて法廷で裁判を傍聴する。裁判では、着物を返してほしいと妻・峰子(安川まり)が夫・東田(遠藤雄弥)を訴えている。妻は離婚裁判に勝訴しているが、夫が控訴しているため離婚が成立していない。そのため、民法の定めに従うと、妻が着物を取り返すのは難しい。

 第8話で寅子は法律の理不尽さに憤る。寅子は東田の態度の悪さや峰子の境遇を思い、峰子を応援したい気持ちでいっぱいになった。だが、よねは法律上、着物は戻らないと言う。寅子はよねの言葉を聞くと、信じ難い様子で「峰子さんが裁判に負けるってこと? うそでしょ? あんなにひどい目に遭わされてるのに?」と問いかける。この状況に納得がいかないのはおそらくよねも、そして現代にいる視聴者も同じだろう。 

『虎に翼』8話場面写真

 寅子は裁判の内容について優三(仲野太賀)と議論する。優三もまた、法律上、着物を取り返すのは難しいと考えた。該当の条文を読んで聞かせる優三に悪意はない。けれど、寅子は覚えた違和感を素直に言葉にする。

「そんなの、すごく変!」
「なぜ性別で区別するの?」
「結婚しているってだけで着物はあの男のものになるってこと?」

『虎に翼』8話場面写真

 寅子を演じる伊藤のはきはきとした台詞の言い回しは、疑問を持ったら解決しないと気が済まない寅子の人柄を表していただけでなく、当時の女性が置かれた不条理な立場をまっすぐに伝えるものだった。

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