『ノッキンオン・ロックドドア』は“振れ幅”が魅力 松村北斗×西畑大吾の複雑な関係性

『ノキドア』倒理×氷雨の複雑な関係性

 そうして倒理と氷雨が一つひとつの事件を解決していきながらも、最終的に向き合わなければならない存在として描かれたのが、犯罪コンサルタントの糸切美影(早乙女太一)だ。加えて、2人に事件の協力要請をする女性刑事の穿地決(石橋静河)も含めて、4人が同じ大学の犯罪社会学のゼミ仲間だったというところも、見応えのある部分。

 美影は、倒理が首を切られた例の密室事件の直後に行方をくらませ、犯罪コンサルタントとして謎を作る側になった。なぜ姿を消さなければならなかったのか。なぜ犯罪者側にいってしまったのか。一番身近であるはずの人のことがわからない、というのはどこかリアルでゾワゾワしてしまうところでもある。

 そして美影が作り出したトリックは、事件にちなんだメッセージを残すことから、彼の仕業だとすぐにわかる。それゆえに美影が関わっていると踏んだ事件には、3人で挑むという図がお決まりになっていく。

 穿地は、愛情とその正義感の強さゆえの複雑な感情から美影を自らの手で捕まえて「殺す」とまで言い放つ。一方で、行方知れずと思われた美影と密かに再会していた氷雨は、美影から「君は倒理に殺されたがっているね」と言われてしまう。相手を思う気持ちが強ければ強いほど、その裏を返せば殺意にも繋がりかねないということか。

 4人共、それぞれの信念からどこか危うい言動に出がちであり、そしてお互いが仲間のストッパーにならなければいけないという信念が生まれている。その不思議な四角関係が、シンプルな友情物語とはまた違ったスパイスを効かせる。

 倒理と氷雨が単純な仲良しコンビではない雰囲気を漂わせる理由も、遡れば例の密室事件が根本にある。最終話では、美影が3人の前に姿を現し、一番解明したいと思いながらもどこかで目をそむけ続けてきた6年前の事件について4人で向き合うことになるのだが……。

 Blu-ray&DVD BOXではテレビのオンエアには入らなかった、8分23秒にも及ぶ未公開シーンも含まれた堤幸彦監督によるディレクターズ・カット版となっている点も楽しみなところだ。特典映像はノキドアドキュメント、メイキング、クランクアップ集、記者会見などが収録。

 さらに、ビジュアルコメンタリーでは松村&西畑、そして堤監督と一緒に最終話を観ながら、思わぬ撮影秘話や裏設定を聞くことができる。Blu-ray&DVD BOXになってもなお、私たちの好奇心をくすぐる謎が用意されているというのは、まったく嬉しい限りだ。

■リリース情報
『ノッキンオン・ロックドドア』
4月17日(水)Blu-ray&DVD BOX発売

Blu-ray BOX:21,120円(税込)
DVD BOX:16,720円(税込)

<映像特典>
・制作発表記者会見
・ノキドアドキュメント
 収録話数:#1、#3、#5
・メイキング集
・クランクアップ集
・松村北斗&西畑大吾+堤監督 最終話ビジュアルコメンタリー

<封入特典>
・ブックレット

出演:松村北斗、西畑大吾、石橋静河、畑芽育、駒木根隆介・早乙女太一・角田晃広、渡部篤郎
原作:青崎有吾『ノッキンオン・ロックドドア』(徳間書店)
脚本:浜田秀哉
音楽:fox capture plan
主題歌:SixTONES『CREAK』(ソニー・ミュージックレーベルズ)、なにわ男子『Missing』(ストームレーベルズ)
ゼネラルプロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)
プロデューサー:田中真由子(テレビ朝日)、尾花典子(ストームレーベルズ)、長澤佳也(オフィスクレッシェンド)、石田菜穂子(テレビ朝日)
演出:堤幸彦、髙橋洋人、藤原知之、稲留武
制作協力:オフィスクレッシェンド
制作:テレビ朝日、ストームレーベルズ
発売元:株式会社テレビ朝日
販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング
©青崎有吾・徳間書店/テレビ朝日・ストームレーベルズ

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