川栄李奈がエンタメ界を席巻 『となりのナースエイド』『変な家』における演技の変化

エンタメ界を席巻する川栄李奈の演技の変化

 またもいま、川栄李奈がエンターテインメント界を席巻している。このように感じているのは私だけではないだろう。

 『となりのナースエイド』(日本テレビ系)にて初めてゴールデン・プライム帯の連続ドラマ主演を果たすと、それに続くかたちでヒロインを務めた映画『変な家』が公開。さらには主演舞台『千と千尋の神隠しSpirited Away』の上演も間もなくはじまる。彼女はなぜこんなにも愛されるのだろうか。

 見事に完走した『となりのナースエイド』で川栄が演じていたのは、ナースエイドの桜庭澪。ナースエイドは医療行為を行うことができない職業だが、患者を日常的にサポートする重要な存在だ。たんにナースエイドが奮闘する話であればありきたりだが、本作の主人公・澪は医療オタクで看護師や、場合によっては医者以上に医療に詳しく、誰にでも明るく接しては距離感を誤ることもある愛らしい人物。そのうえある秘密を抱えるキャラクターで、この澪の多面性がドラマそのものを表情豊かにしていた。

川栄李奈の積み上げてきた演技力を実感 『となりのナースエイド』で見せた“3つの顔”

川栄李奈が主演を務める連続ドラマ『となりのナースエイド』(日本テレビ系)が、1月10日よりスタートした。明るく元気な澪を演じる川…

 澪を誰がどのように演じるかで、本作の手触りは大きく変わっていたことだろう。川栄の喜怒哀楽を自在に変化させる演技と、“話芸”とも呼べるほどの緩急自在なセリフ回しによって、このドラマは単なる医療ものではない、より幅広い層に受け入れられる作品になっていたと思う。

『カムカム』の“希望”であり続けた川栄李奈 “続けられた”ことがひなたにもたらした自信

最終回当日を迎えた『カムカムエヴリバディ』(NHK総合、以後『カムカム』)。3世代に渡るヒロインの物語が紡がれた本作、先代の2人…

 川栄のパフォーマンスに定期的に触れられるというのは、じつに素晴らしいことだ。多くの視聴者にとって彼女の存在は、朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)の主人公のひとりである大月ひなたを演じた者として共有されているだろう。時代劇好きの1965年生まれの彼女が、昭和、平成、令和という大きな時代のうねりの中を、仕事や恋に奮闘しながら生きていく姿は誇張のない等身大のもの。誰もが親しみを持って応援していた。

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