『ブギウギ』中村倫也がサプライズ登場! 趣里&三浦獠太とコントさながらのやりとりも

『ブギウギ』中村倫也がサプライズ登場

 さらに今回はもう一つサプライズが。スズ子が大阪時代に所属していた梅丸少女歌劇団(USK)のピアニスト・股野(森永悠希)が再登場となった。ストライキ騒動後に退団し、オーケストラを目指していた彼は、かつて失恋した礼子(蒼井優)と再会。泣き落としのようなプロポーズを経て結婚し、子供をもうけたが、出産後まもなく持病が悪化した礼子と死別した。

 以来、スズ子は20年近く股野に会っていなかったが、まさかのテレビ局で再会を果たす。目を見張るのは、森永の“老い”の演技だ。若い頃の青々しさは消え、「ほんま立派になったねぇ」と目を細める仕草が、彼が男手一つで子供を育ててきた長年の苦労を想像させる。そして驚くことに、その子供はあの水城だった。股野は娘である水城のマネージャーとしてテレビ局に来ていたのだ。

 「私、福来先生の大ファンです」とスズ子の目をまっすぐ見つめる水城は、たしかに凛としていて意志の強そうな雰囲気が礼子によく似ている。スズ子にとって、たゆまぬ努力でUSKのトップスターとして君臨していた礼子は永遠の憧れであり、ステージに立つ人間としての大事な精神を教えてくれた人。そんな礼子の娘が自分に引導を渡すかも知れない存在として目の前に立っている。正直、こうして水城と対面するまで、スズ子からは焦りみたいなものは感じられず、現状に甘んじているようにも見えた。そんな中で礼子の面影を宿した水城に尊敬の目を向けられ、スズ子は改めて「どうして踊るの?」と問いかけられたような気がしたのではないだろうか。

 水城のモデルだが、母親がマネージャーを担当していた美空ひばり、レビュー一座・東京少女歌劇出身の女優・谷崎歳子を母親に持つ江利チエミの名前がSNSでは上がっている。いずれにせよオリジナル要素は強いが、どちらかといえば、スズ子のモデル・笠置シヅ子と1956年の『NHK紅白歌合戦』で名を連ねている江利のイメージが強い。この年を最後に笠置は紅白から退き、翌年に歌手廃業を宣言している。史実に沿えば、おそらく最後の勇姿となるであろう水城との新旧対決はいかに。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、生瀬勝久、小雪、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
語り:高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー) 
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
音楽:服部隆之
主題歌:中納良恵 さかいゆう 趣里 「ハッピー☆ブギ」
写真提供=NHK
公式サイト:https://nhk.jp/boogie

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