『ドクタースランプ』パク・ヒョンシクがパク・シネに告白 幸せから一転スピード破局へ

『ドクタースランプ』ジョンウがハヌルに告白

 ここまでの一連の流れの中で、韓ドラで定番の「グリーンライト=相手を好き」の演出が巧みに使われている。酔ったジョンウが告白する時の緑色のパーカーに、濡れたハヌルに貸すジョンウの緑色の服、幼い頃のハヌルの洋服も緑色だ。好き=グリーンが、あちこちに小道具として多用されていて、制作陣の遊び心と、画面いっぱいの能弁さにときめく。さすが『恋のゴールドメダル~僕が恋したキム・ボクジュ~』のオ・ヒョンジョン監督、『キム秘書はいったい、なぜ?』『九尾の狐とキケンな同居』のペク・ソンウ脚本作品だ。

 ジョンウがハヌルに告げた、「人生は塩辛いけど、お前がいれば甘い。塩田のアメみたいだ」「人生は苦いけど、お前といる時間は甘かった。わらびとチョコを同時に食べたみたい」という究極のラブレターのような名言といい、人気作として名を残すのは間違いないだろう。

 ここからは、晴れて恋人同士になった、ジョンウとハヌルのラブラブデートがたっぷりと楽しめる。「彼氏と論文を読んで議論したかった」というハヌルに、ロマンチックなデートをしたくてしょげるジョンウがかわいい。映画館でハヌルに甘えるジョンウの姿は必見だ。パク・ヒョンシクとパク・シネの最高のケミに、このまま幸せな時が続いてほしいと思いながら、まだ物語が折り返し地点なことに気づいてイヤな予感がよぎる……。韓ドラは、早くにラブラブになると、その後に辛い展開がやって来るのがお約束なのだ。

 その予感が外れてほしいという願いもむなしく、ハヌルは、先輩医師のギョンミン(オ・ドンミン)の結婚の話を聞くと調子を崩してしまう。さらに、亡き父のことで自責の念にかられる思いが浮上する中で、ジョンウがハヌルのために、医師としての復帰を遅らせたことをホンラン(コン・ソンハ)から告げられる。自責と罪悪感にかられ、一気に混乱して精神状態が悪化したハヌルは、ジョンウに「もう別れよう。今の私は恋愛できる状況じゃない」「気分に波があるの。私、忘れてたけど、自分の面倒も見られない」と泣きながら別れを告げる。

 「昨日は問題なかった、でも今日は違う」とハヌルが言うように、気分の波がハヌルを襲い、辛くてたまらない様子に胸が痛くなる。そんなハヌルを支えたいジョンウだが、ジョンウの存在さえも辛いのかと、ジョンウのショックが伝わってくる。うつ病という病を抱えたハヌルに、1人で抱え込まずにジョンウに頼ってほしいと強く思いながら、ジョンウの決断と行動、ハヌルの心模様を固唾を飲んで見守っている。

■配信情報
『ドクタースランプ』
Netflixにて配信中
出演:パク・ヒョンシク、パク・シネ、ユン・パクほか
(写真はJTBC公式サイトより)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「海外ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる