西島秀俊は現場でも“マエストロ” 『さよならマエストロ』会場一体の演奏シーンに密着
現在放送中のTBS系日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』。第5話で、西島秀俊演じる夏目俊平と、芦田愛菜演じるその娘・響の冷え切った関係に少し変化が見られた。
第6話では、ついに晴見市あおぞら文化ホールが、2024年2月29日までで閉鎖することが決定。ピンチに立たされた晴見フィルの面々が、何とかして「さよならコンサート」を行えるように奔走するシーンが描かれる。今回、その撮影現場に潜入。晴見フィルの面々の迫真の演技をレポートする。
1月末の都内某所。この日は、晴見市あおぞら文化ホール・大ホールで、目標にしていた晴見フィルハーモニーの「さよならコンサート」の撮影が行われた。大ホールに詰めかけたたくさんのエキストラが見守るなか、マエストロの俊平(西島秀俊)をはじめ、トランペットの大輝(宮沢氷魚)、ファゴットの古谷(玉山鉄二)、フルートの瑠李(新木優子)、バイオリンでコンマスの近藤(津田寛治)、チェロの蓮(佐藤緋美)、ティンパニーの菜々(久間田琳加)ら晴見フィルのメンバーたちが登場する。
この日は第1話から演奏シーンに使われていたホールでの撮影が最後の日。東仲恵吾企画プロデューサーは「第1話から音楽シーンの撮影は、キャスト・スタッフともに日々練習したものを披露する晴れ舞台のような高いモチベーションと、緊張感が合わさったような独特の雰囲気でした」とキャストやスタッフたちの様子を語ると、「さよならコンサート」となるこの日は「実際に撮影するのも最後だったので、現実と物語がリンクして、いつも以上に、熱を帯びた良い緊張感が漂っていました」と語る。
そんな中で始まった演奏シーン。客席からの目線となる晴見フィル全体を映したカットや、マエストロを正面から撮ったカット、さらには各パートをアップにしたカットなど、さまざまな角度から演奏者を映す。特に寄りで撮られたカットでは、監督から「OK!」の声が上がるたびに客席からは大きな拍手が巻き起こるなど、雰囲気も最高潮だった。
撮影の中盤では、この「さよならコンサート」が、街の人たちへの感謝を込めた演奏会という意味が含まれていることから、俊平が客席に向かって指揮者を募るシーンも。このシーンは会場のお客さんが主役。ステージ中央の指揮台に立つ西島の呼びかけに反応する客席。まさに会場が一体になるようなシーンだ。
客席には、街の人たちに交じり、俊平の妻である志帆(石田ゆり子)、息子の海(大西利空)、俊平の弟子・天音(當真あみ)、俊平の元マネージャー鏑木(満島真之介)らの姿もあった。ダイナミックな撮影のため、何度も繰り返すテストのなか、その都度満島が大きな声を出し客席を盛り上げるなど、チームワークの良さもうかがえた。
またこの日の晴見フィルのメンバーたちの衣装にも注目だ。鏑木が用意したという設定の偉大なる音楽家をイメージした衣装は、何とも言えずユーモラスであり優雅だ。