『おっパン』『不適切にもほどがある!』など、“おじさん”主役のドラマが求められる理由

“おじさん”主役のドラマが求められる理由

 おじさんたちは、まわりになじめないまま年を取り、やがて孤独に死んでいく可能性が高い。内閣府が平成26年度に行った「一人暮らし高齢者に関する意識調査」では、一人暮らしをしている65歳以上の高齢者で「心配ごとや悩み事を相談したい相手」について、「あてはまる人はいない」と回答した女性は11.4%だったが、男性は27.8%だった。「喜びや悲しみを分かち合う相手」については、「あてはまる人はいない」と回答した女性が11.4%に対して、男性は34.4%に上った。老後、男性は女性に比べて圧倒的に孤独なのだ。

 おじさんたちは社会の役に立とうとしているが、社会はあまり必要としていない。家族を愛しているが、家族からはあまり愛されていない。仕事に打ち込んできたから、趣味もなければ仕事以外の友達もいない。だからこのまま進めば、孤独な老後を迎えることになる。それは数字が証明している。だけど、おじさんたちはギリギリのところでそのことに気付き、何とか自分を変えようとしている。家族に向き合おうとしている。周囲にとけこもうとしている。そのズレっぷり、奮闘ぶりがドラマになるのだ。

 小川市郎のように自分を貫くおじさんもいれば、沖田誠のように自分を変えてしまうおじさんもいる。椎名雅彦のように楽しく人生をまっとうするおじさんもいれば、夏目俊平のように才能を活かして上手くいくおじさんもいると思う。藤巻達臣は破滅してしまうおじさんかもしれない。おじさんたちの行く末をドラマの成り行きとともに見守りたい。

■放送情報
『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』
東海テレビ・フジテレビ系にて、毎週土曜日23:40~24:35放送
出演:原田泰造、中島颯太(FANTASTICS)、城桧吏、大原梓、東啓介、渡辺哲、松下由樹、富田靖子ほか
企画:市野直親(東海テレビ)
原作:『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』練馬ジム (LINEマンガ)
脚本:藤井清美
音楽:鈴木ヤスヨシ
演出:二宮崇、室井岳人、加治屋彰人
プロデューサー:松本圭右(東海テレビ)、古林都子(The icon)、渋谷未来(The icon)
制作:東海テレビ The icon
©TOKAI-TV
©Zim Nerima/LINE Digital Frontier

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