友近、『ブギウギ』で緩急の“緩”を担う? スズ子を支える存在としての安心感

友近、『ブギウギ』で緩急の“緩”を担う?

 放送中の朝ドラ『ブギウギ』(NHK総合)には、「お笑い」の世界に軸足を置く者たちが何人も出演している。なだぎ武、ジャルジャルの後藤淳平と福徳秀介、メッセンジャーの黒田有ーー。そしてこの並びに、新たに友近が加わる(のちに麒麟の田村裕も)。じつにユニークな布陣である。

 とくにニューフェイスである友近は、俳優としてかなりの出演作を誇る演技派だ。ヒロイン・スズ子(趣里)にとって、彼女の役割とはどのようなものになるのだろうか。

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 なだぎ武が演じているのは、スズ子の実家だった銭湯「はな湯」の常連客である占い師。ジャルジャルのふたりが演じているのは、スズ子がまだ「梅丸少女歌劇団(USK)」に所属していた頃に仲間たちと通った洋食屋「フクロウ」のスタッフ。メッセンジャーの黒田が演じているのはご存知のとおり、スズ子の愛する愛助(水上恒司)の家業である村山興業の東京支社長。そしてこの村山興業が実在する吉本興業をモチーフにしているであろうことは、いまさら書くことまでもないだろう。

 ここに並べた4人の芸人には、共通点がある。それは吉本興業所属の芸人だということ。もちろん、友近もだ(田村裕も吉本所属だが、出演の順番的にここでは言及しない)。

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 ひとくちに「お笑い芸人」といっても、さまざまなタイプがある。漫才・漫談を行う者や、コントを得意とする者、ほとんど特技と呼べるような無二の一発芸を展開する者など、じつに多様。基本的にはもちろん、観客を笑わせるのが仕事である。そんな彼ら彼女らが映画やドラマに登場するとき、だいたいの場合においてコメディリリーフを担うことが多い。あるいはその特異な存在感を武器にして、観客の注意を引く役割を務めることも。職業俳優ではなく、「お笑い芸人」だからこそできることだ。

 しかし中には、ふだんのお笑いジャンルとは関係なく、目を見張るような演技を作中で披露する者がいる。そのひとりが友近だ。

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