第96回アカデミー賞ノミネーション発表 史上初快挙の『ゴジラ-1.0』など日本勢が健闘
第96回アカデミー賞のノミネーションが、1月23日早朝(アメリカ現地時間)に発表された。今年はいくつかの日本作品のノミネートも期待され、注目が集まるなか、役所広司主演、ヴィム・ヴェンダース監督の『PERFECT DAYS』が国際映画賞、スタジオジブリの『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞、山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞にそれぞれノミネートされ、期待どおりの結果に。日本作品の視覚効果賞へのノミネートは史上初の快挙だ。視覚効果賞には、そのほかに『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』、『ナポレオン』など、ビッグバジェット作品が名を連ね、このなかでどのような健闘を見せるのかが期待される。
また、長編アニメーション賞に日本作品がノミネートされるのは、2016年の『レッドタートル ある島の物語』以来8年ぶり。『君たちはどう生きるか』は、前哨戦となるゴールデングローブ賞でアニメ映画賞を受賞しており、アカデミー賞受賞にも期待がかかる。
最多ノミネートとなったのは、クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』で13部門。続いて『哀れなるものたち』が11部門、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』が10部門ノミネートと拮抗している。ゴールデングローブ賞では、ドラマ部門で『オッペンハイマー』、ミュージカル/コメディ部門で『哀れなるものたち』が作品賞を受賞しており、今後の賞レースでアカデミー賞の結果を占うことになるだろう。
一方で意外な結果となったのは、『バービー』のグレタ・ガーウィグ監督の監督賞落選、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』の脚色賞落選だ。今年は粒ぞろいの作品が揃ったとはいえ、どちらもまさかの展開。特に監督賞は女性監督が『落下の解剖学』のジュスティーヌ・トリエのみとなり、また議論の火種になるかもしれない。
俳優部門では、アカデミー賞ノミネート/受賞経験者も多いなか、今回が初主演作となった『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のリリー・グラッドストーンや『落下の解剖学』でノミネートされたドイツのサンドラ・ヒュラー、『ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男』のコールマン・ドミンゴら初ノミネート勢の活躍にも注目が集まる。
期待通りの結果とまさかの展開が見られた第96回アカデミー賞のノミネーション。授賞式は3月10日(アメリカ現地時間)に、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される。