『VIVANT』未解決の謎を振り返る 野崎のさらなる秘密に正体不明の日本のモニターも

『VIVANT』未解決の謎を振り返る

確信の持てないベキの死

 テントの本来の姿やベキ(役所広司)の真の目的が次第に明らかになっていった後半。最終回でベキは仲間数人と襲撃した内閣官房副長官・上原(橋爪功)の家で乃木に撃たれ、そのまま上原の自宅と共に燃やされた。しかし、野崎は「スス同然となって発見された」と言っているがその亡骸は回収されてはいない。乃木は、以前、別班を裏切ったように見せるために、任務仲間であった4人を撃ったことがあるが、その時はわざと急所を外して生かしていた。ということは、同じことをベキたちにもできたということである。状況からしてベキが死んでいると考えるのは自然だが、本当にそうなのかはまだ疑わしい。

日本にいるモニター

 テントは各国に潜伏する工作員であるモニターを使って情報を集めていた。乃木の同僚である黒須(松坂桃李)は世界で暗躍する凄腕ハッカーであった太田(飯沼愛)を使って日本に潜伏するモニターを洗い出していた。その中で、野崎の部下の1人がモニターであることが判明するのだが、映し出されるモニターとの通信履歴には「JAPAN」のIDが3つあるのである。今回、ベキに協力した1人を除くと、あと2人はいまだに正体が不明である。これはまだ何かがあるという暗示にはならないのだろうか。

 ここまで残っている謎について考えてしまうのには、理由がある。ベキ関連の長い任務を終えた乃木は、近所の神田明神に帰還し、帰りを待っていた薫とジャミーンに迎えられ抱き合う。しかし、Fから「別班の緊急招集の合図」である、祠にお饅頭が備えてあることを教えられるのだ。明らかに続編があることを感じさせる結末なのである。

 乃木を演じた堺も「何かの形でまた乃木という人物を演じてみたい」とコメントを寄せているが、俳優から見ても本作の登場人物たちはまだまだ奥が深いようだ。今のところ発表されていないが、続編に期待して未回収の謎を見つけてみるのもおもしろさのひとつではないだろうか。

■放送情報
『VIVANT』
TBS系にて、1月2日(火)6:00〜11:00、11:10〜15:00再放送
出演:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、竜星涼、迫田孝也、飯沼愛、山中崇、河内大和、馬場徹、Barslkhagva Batbold、Tsaschikher Khatanzorig、Nandin-Erdene Khongorzul、渡辺邦斗、古屋呂敏、内野謙太、富栄ドラム、林原めぐみ(声の出演)、二宮和也、櫻井海音、Martin Starr、Erkhembayar Ganbold、真凛、水谷果穂、井上順、林遣都、高梨臨、林泰文、吉原光夫、内村遥、井上肇、市川猿弥、市川笑三郎、平山祐介、珠城りょう、西山潤、檀れい、濱田岳、坂東彌十郎、橋本さとし、小日向文世、キムラ緑子、松坂桃李、役所広司
プロデューサー:飯田和孝、大形美佑葵、橋爪佳織
原作・演出:福澤克雄
演出:宮崎陽平、加藤亜季子
脚本:八津弘幸、李正美、宮本勇人、山本奈奈
音楽:千住明
製作著作:TBS
©︎TBS

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