『たとえあなたを忘れても』シャボン玉のような美璃と空の“幸せ” 気になるタイトルの意味

『あな忘』シャボン玉のような美璃と空の幸せ

 「どうして思い出せないの?」「お願いだから、思い出してよ」。そんな怒りをぶつけたくなってしまうこともあるだろう。ただ、美璃にはそれも許されない。空が悪いわけではないし、いちばんしんどいのは彼なのだから。日々、葛藤を抱えている美璃からしたら、“好きな人が生きているからいいや”なんて悠長なことは言っていられないのだ。

 「逃げてもいいと思うよ」と美璃のまわりの人間たちは言う。しかし、“好き”という気持ちは厄介だ。「この人といたら不幸になる」と分かっていても、「この人がいない幸せなんていらない」と思ってしまうのだから。

「約束する、わたしはずっと空のそばにいるから」

 第8話、美璃は空とともに綱渡りの日々を歩んでいく覚悟を決めた。空の記憶は、いつまた消えてしまうのか分からない。もう二度と消えないかもしれないし、朝起きたら「誰ですか?」と言われる可能性だってある。それでも、美璃は空のことが好きだから、彼の苦しみを一緒に背負うことにした。

 2人の幸せは、まるでシャボン玉のようだ。美しくて繊細で、いつ弾けてしまうか分からない。もしも弾けてしまえば、すべてが跡形もなく消え去ってしまう。第8話ラストでは、空が美璃との思い出の写真を見つめてなにやら不穏な表情を浮かべていたが、また記憶が消えてしまったということなのだろうか? それとも、2人の間には愛がなくなってしまったのか。

 また、タイトルが『たとえあなた“が”忘れても』ではなく、『たとえあなた“を”忘れても』になっている理由も気になるところ。これは、美璃ではなく、空目線のタイトルだということなのか。なのか。それとも、あなた(自身)を忘れても、あなた(がわたし)を忘れても、など()に入る言葉があるのか。あるいは、美璃が記憶を失ってしまう可能性も? すべての謎は、最終話で解き明かされることになりそうだ。

■放送情報
『たとえあなたを忘れても』
ABCテレビ・テレビ朝日系にて、毎週日曜22:00〜放送
TELASA、U-NEXTにて、見放題配信
TVerにて、放送終了後見逃し配信
出演:堀田真由、萩原利久、風間俊介、岡田結実、畑芽育、松井玲奈、森香澄、丸山智己、須藤理彩、加藤貴子、檀れい
脚本:浅野妙子
プロデューサー:清水一幸、辻知奈美、髙石明彦(The icon)、高橋香奈実(The icon)
演出:大谷健太郎、髙石明彦
音楽:平野真奈、福廣秀一朗
主題歌:由薫「Crystals」(Polydor Records)
制作協力:The icon
制作著作:ABCテレビ
©️ABCテレビ
公式サイト:https://www.asahi.co.jp/anawasu/
公式X(旧Twitter):@anawasu_abc
公式Instagram:@anawasu_abc
公式TikTok:@anawasu_abc
公式LINE: @abc_drama

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