『EVOL(イーヴォー)』は超能力版『俺たちに明日はない』だ 伊礼姫奈の鋭い目つきが絶品
主人公たちを演じる青木柚、伊礼姫奈、服部樹咲の3人が、とにかく素晴らしい。そのビジュアルは、カネコアツシの原作漫画からそのまま出てきたようだ。髪型や服装などは、可能な限り原作に寄せている。だが、もっとも原作に忠実なのは、彼らの“目つき”だ。
「この世の中をぶち壊したい」と思っている彼らの目つきが、健康的に輝いているわけがない。一様に鋭い(ノゾミは髪に隠れてほとんど見えないが)。
中でもアカリを演じた伊礼姫奈の、刺し貫くような目つきが忘れられない。
彼女が演じるアカリは、常に他人を睨みつけ、罵声を浴びせる。だがこれらの行動は彼女の意思に反したものであり、その行動を引き起こす原因も、追々明らかになる。ネタバレになるので、詳細には触れない。自らの目で確かめてほしい。だがひとつ言えることは、3人の主人公の中で、彼女がもっとも深い深い“業”を背負うことになる。弱冠17歳にして、これだけ業の深い役を背負い込める彼女のポテンシャルが恐ろしい。
『月』、『正欲』、そして『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』と、ここひと月ぐらいでマイノリティが迫害される映画を立て続けに観た(『翔んで埼玉』に関しては、ふざけて例に挙げたわけではない。滋賀県育ちの筆者にとっては、涙なくしては観られない作品だったのだ)。だからこそ、ここに来ての『EVOL(イーヴォー)』は沁みた。迫害され続けたマイノリティが、世界をぶち壊す物語。筆者が観たかった物語が、ここにあった。
この物語は、“超能力版『俺たちに明日はない』”とも言える。無軌道の限りを尽くしたボニーとクライドは、ラストシーンで130発の銃弾を受けて絶命する。
『EVOL(イーヴォー)』の3人、ノゾミ、アカリ、サクラは、無軌道の果てに笑っているのか。それとも、ボニーとクライドのように虫ケラのごとく殺されるのか。
どちらに転んでも、最後は「クズ共」のために歌いたい。
■配信情報
『EVOL(イーヴォー)~しょぼ能力で、正義を滅ぼせ。~』
DMMTVにて独占配信中
出演:青木柚、伊礼姫奈、服部樹咲、金子ノブアキ、芋生悠、石黒賢、安田顕
原作:カネコアツシ『EVOL(イーヴォー)』(ビームコミックス/KADOKAWA刊)
監督:山岸聖太
主題歌:Tempalay「Superman」
制作プロダクション:ROBOT COMMUNICATIONS INC.
©KANEKO Atsushi / KADOKAWA 刊 ©DMM TV
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