【作ってみた】『フェルマーの料理』岳の“焼かない”オムライスはどんな食感なのか?

『フェルマーの料理』岳のオムライスを再現

 普通の料理を特別に美味しくするのは食材ではなく、ほんの少しのひと手間である。TBSテレビ金曜ドラマ『フェルマーの料理』は、そんな事実を作品を通して教えてくれている。ナポリタンから始まった、私たちの予想を大きく裏切る岳(高橋文哉)のレシピには、毎週あっと驚かされる。

「今週はどんな料理を作るんだろう?」

 そんなことを考えていたときに目に止まったのが、公式Instagramに載っていた“おうちごはん”へのあるアドバイス。

「おうちごはんをよりおいしく作るには……しょうゆ、酒、塩など、いつもの調味料を、“ちょっといいもの”に変える」
「“いい調味料”をいつもと同じタイミングで同じように入れると、劇的に美味しくなるはず!」

 
 
 
 
 
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金ドラ『フェルマーの料理』【公式】(@fermat_tbs)がシェアした投稿

 この言葉には、私自身も覚えがある。前回、岳のナポリタンを再現した際にマリネ液にワインビネガーを使ったのだが、麺のもちもち感がいつものパスタの比ではなかったのだ。ただし、これはワインビネガーが普段使わない調味料だったから新鮮に感じただけかもしれない。それなら、Instagramの指摘通りに普段の調味料を変えてみよう。究極に美味しい「普通のごはん」を目指して、私は成城◯井に走った。

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 今回作ってみるのは、第6話で岳がKのスタッフに振る舞った「焼かないオムライス」。高級スーパーで手に入れてきたのは1箱1200円もするバターだ。もはやちょっと良いアルバイトの時給と変わらない値段の代物だが、これを使ってオムライスを再現することにした。トロトロ具合を極限まで高めたオムライス。バターのためにサヨナラした野口英世を思うと、絶対に失敗したくはない。ついでに、卵もちょっと高いものを用意してみた。

岳がKのスタッフに振舞った「焼かないオムライス」
岳がKのスタッフに振る舞った「焼かないオムライス」

 まずはオムライスに使うご飯の準備から。てっきり普通のオムライスと同じく、ケチャップを使用するものかと思っていたが、岳のオムライスは至ってシンプルにバターのみ。チキンライスにするわけでもなく、ケチャップもなしできちんとオムライスの味がするものなのだろうか。

1200円するバターを用意
かき混ぜているとバターの芳醇な香りが
ご飯は事前に形を作っておく

 続いて、卵を4つ割り入れ、塩と砂糖をひとつまみ入れてホイッパーで混ぜる。準備が整ったら85度のお湯で湯煎する……のだが、ここまででは全くオムライスになる気配がしない。

85℃をキープして湯煎にかける
ホイッパーでひたすら卵をかき混ぜる

「ホイッパーでかき混ぜながら、ゆっくりと卵に火を入れ、もったりとしてきたら湯煎からおろす」という指示通り、“もったり”を期待しながらかき混ぜていく。

ひたすら卵をかき混ぜ続ける……

 ところが、全然想像していた“もったり感”が出ないのである。ワンポイントアドバイスに載っていた“1分間で200回”を目安に頑張ってシャカシャカ。「岳、結構体力あるんだな」と思いつつ、海様(志尊淳)に「腕が疲れました」とは言えないのでひたすらに黙って手を動かす。

求めていた“もったり感”はこんな感じ
なんだかおやつのような見た目に

 体感約5分ほどかき混ぜていただろうか。ようやく、もったりの兆しが見え始めてきた。しかしこの塩梅が結構難しい。固まるか、固まらないかの間で湯煎からおろす。ご飯に卵をかけ、盛り付けをして……完成!

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