『下剋上球児』中沢元紀が鈴木亮平らから学んだこと 「人として生きなくてはいけない」

『下剋上球児』中沢元紀インタビュー

 次代のスター候補生たちが揃うTBS日曜劇場『下剋上球児』。役者としての演技はもちろん、甲子園を目指す越山高校野球部として説得力をもったプレーを見せなくてはいけない球児たち。本気のオーディションを経て選ばれた彼らはどんな思いで撮影に臨んでいるのか。放送に合わせて球児たちへ連続インタビュー。第5回は、越山高校のエース・犬塚翔役の中沢元紀。

小日向文世とはこれからの役者としての話も

――これまで犬塚翔を演じてきた感想は?

中沢元紀(以下、中沢):翔は、自分と似ている部分が結構あるんです。闘志は表に出さず内に秘めるタイプだったり、自分に自信がないというか、あまり自分から行動することが少ない性格だったり。そういったところは自分と重なるので、演じながらだんだんと馴染んできている感覚があります。

――チームの中心に立つ投手役ということで、そのあたりのプレッシャーはありましたか?

中沢:試合シーンでは、僕がストライクを入れないと始まらない場面や、「外角低めにスライダーを投げてください」といった要求もあったりして。しかも、それがカメラを通して伝わらなければいけないですし、僕は元々ピッチャーではなかったので、野球の技術面に関しては大変なこともありました。

――もともとピッチャーではなかったんですね。

中沢:野球は小学校5年生から中学校3年生まで5年間やっていて、外野も内野もやりましたが、中学校最後の試合にはファーストで出場しました。なので、最初はもちろんプレッシャーもありましたし、ピッチャー志望の方はすごい人たちばかりだったので、頑張らないといけないなと思っていました。

――実際、日曜劇場にご自身が出演されている映像をご覧になっていかがですか?

中沢:本当にありがたいことなんですけど、僕は自分が出ているドラマを平常心で観られないんです。「ここはもうちょっとこうした方がよかったな」と反省点ばかり探してしまうので、家族だったり、他のみなさんが(翔に対して)感じる印象のほうが素直な感想なのかなと思いますし、自分の中ではそれが一番嬉しいです。

――ちなみに、とくに嬉しかった反響は?

中沢:ピッチングフォームはオーディションのときから自分の中でずっと課題にしていたので、SNSで「ピッチングフォームが綺麗でカッコよかったです」とかコメントをいただくと、頑張ってよかったなって思います。

――塚原あゆ子監督、新井順子プロデューサーの印象を聞かせてください。

中沢:塚原さんは「みんなで考えて、自由にやってみて」と言ってくださるので、球児みんなで考える力がついたと思います。もちろん他愛ない話もしますけど、「このシーンをより良くするにはどうすればいいか」と、撮影前だけではなく、移動中や休憩中にもよく話していますし、本当にやりやすくお芝居をさせてもらっています。新井プロデューサーは常に全体を見ていて、球場の撮影でも僕たちの細かいところまで見てくださっているので、失礼かもしれませんが、どこかお母さん的存在のように感じています。

――第2話で、翔が富嶋(福松凜)のお弁当を見て「先輩彼女いるんすか?」と言ったセリフは、中沢さんのアドリブだと聞きました。

中沢:本当にその場で出た言葉なのであまり覚えていないんですけど(笑)、塚原さんから「いろんな表情を見せた方が人間は魅力的に見える」とずっと言われていたこともあって、あの言葉が出てきたのかもしれません。それに、企画書には翔の野球以外の部分もたくさん書かれていて、「女の子からはモテるけど、おじい(小日向文世)が『翔くんにはふさわしくない』と弾き返している」みたいなことも書かれていたので(笑)。そういうことが頭の片隅にあったから、ああいう言葉が出てきたのかなと思います。

――そんなおじいを演じる小日向文世さんとの共演はいかがですか?

中沢:すごく元気で、たくさんお話をされる方なので現場が明るくなります。いろいろと聞きたいことはあっても、大先輩なので最初は聞きづらいところもあったのですが、そういう壁を小日向さんの方から壊してくださって。今では野球の話をしたり、これからの役者としての話をしたり、すごく優しく接してくださるので、本当に感謝しかないです。

――鈴木亮平さんや、黒木華さんの印象も教えてください。

中沢:もう本当に先生にしか見えないですね。亮平さんも華さんも、何を質問しても真摯に向き合って答えてくださいますし、いろいろと球児たちと話し合って「こういうシーンにしよう」とまとめてくださるので、監督であり、部長であり、先生であり。亮平さんも華さんも、たくさんのことを背中で見せてくださっています。

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