『単身花日』“初恋を殺す”不倫旅行の結末 重岡大毅演じる舜の“マヌケさ”が物語の光に?

『単身花日』“初恋を殺す”不倫旅行の結末

 だが、旅行を終えて帰るときに、「バカだね、桜木くん。わたしなんか、やっちゃえばよかったのに」とつぶやいたということは、花にも“そういう気”はあったのだろうか。ミステリアスな花の手中に、まんまとハマっていく舜。これまでの舜は、花の前で少年のような表情を見せることが多かったが、旅先の宿では、男としての包容力を感じさせる笑顔が印象的だった。

 たとえるならば、『これは経費で落ちません!』(NHK総合)の山田太陽や、『知らなくていいコト』(日本テレビ系)の野中春樹(闇堕ち前)を演じていたときに、重岡大毅が見せていた愛おしい人だけに向ける特別な笑顔。この笑顔を見た瞬間に、「舜は花に完落ちしてしまったのだな……」と悟ってしまった。

 しかし、花は確実に“なにか”を隠している。おそらく、その“なにか”を共有しているのが、片山(田中樹)なのだろう。舜とそっくりな花の夫・健一は、今どこにいるのか。花が「あの人が、もうすぐ帰ってくる。わたしを殺しに」と言っていたということは、まもなく航海から戻ってくるのだろうか。それとも……。花が屋上から飛び降りようとしていた理由も含めて、まだまだベールに包まれている部分は多い『単身花日』。わりとダークなものを背負っている登場人物たちのなかで、舜のマヌケさがある意味で物語の光となってくれているような気がする。

■放送情報
『単身花日』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:00~23:30放送
出演:重岡大毅(WEST.)、新木優子、田中樹(SixTONES)、高梨臨、長井短、前原瑞樹、金澤美穂、宮崎莉里沙、小沢真珠、茅本梨々華、染谷隼生、高村佳偉人
原作:いわしげ孝 『単身花日』(小学館『ビッグコミックス』刊)
脚本:川﨑いづみ
演出:森脇智延、神徳幸治、瀬野尾一
音楽:沢田完
ゼネラルプロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)
プロデューサー:川島誠史(テレビ朝日)、島本講太(ジェイ・ストーム)、松山雅則(トータルメディアコミュニケーション)、小杉真紀(トータルメディアコミュニケーション)、石田菜穂子(テレビ朝日)
制作協力:トータルメディアコミュニケーション
制作著作:テレビ朝日、ジェイ・ストーム
©︎テレビ朝日
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