GACKT&杏、海外在住の2人が考える真の“郷土愛” 日本に「帰ってきた」と感じる瞬間は?

GACKT&杏が考える本当の“郷土愛”

 魔夜峰央の同名マンガを原作にした映画『翔んで埼玉』の続編、『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』が11月23日から公開中だ。

 埼玉県に対する辛辣な愛あるディスりを込めた作風が評判となり大ヒットした前作では、東京都民から迫害されていた埼玉県人が自由を求めて戦う姿が描かれた。続編となる本作では、まさかの埼玉を飛び出し日本全土を巻き込む天下分け目の東西ディスり対決が勃発。前作同様辛辣なローカルネタとともに描いている。

 前作で主人公・麻実麗を演じたGACKTや壇ノ浦百美を演じた二階堂ふみら主要キャストは続投。本作では、滋賀解放戦線のリーダーで「滋賀のオスカル」と呼ばれる桔梗魁役で杏が参戦することとなった。

 リアルサウンドでは、そんなGACKTと杏にインタビューを実施。海外在住の2人に、本作の撮影秘話や“郷土愛”について話を聞いた。

『翔んで埼玉』の魅力は真剣にくだらないことをする面白さ

ーー杏さんは本シリーズに初出演となりますが、オファーをもらった時、どんな思いでしたか?

杏:前作やマンガは元々知っていたので、「『翔んで埼玉』続編に出られるんだ!」と感動しました。壇ノ浦百美ちゃんとの共演シーンがなかったのは残念ですが、個性豊かなキャラクターたちとは異なる特徴をどのように出そうかということを考えて撮影に挑みました。元々、滋賀県にはほとんど縁がなかったので、この役を受けて良いのかなと思ったりもしたのですが、演じるからには心は琵琶湖に捧げるつもりで頑張りました。とても作り込まれた世界観で、各パートの方々が工夫をこらしながら撮影しているので、こうして真剣にくだらないことをしている面白さが、多くの人に支持されるんだなと思って感動しました。

ーー本作の制作前、お2人は滋賀県に対してどんなイメージを持っていましたか?

GACKT:琵琶湖。

杏:以上ですか(笑)。

GACKT:あとは石山本願寺。

ーー本作の撮影を通して、滋賀県へのイメージに変化はありましたか?

杏:琵琶湖ってこんなにたくさんの川に繋がっているんだなと。あと、「ゲジナン」(※)という言い方があるのを初めて知りました。

GACKT:ボクは元々悪いイメージはないですよ。歴史が好きで織田信長のイメージもある。信長も地元は岐阜だけど、安土城とか。

ーー杏さんが演じた桔梗は男性ですが、男性の役を演じるのは初めてですか?

杏:そうですね。桔梗は原作にはいないキャラで、ビジュアルをゼロから衣裳デザインの拓殖(伊佐夫)さんが作ってくださいました。私からも滋賀の武将たちの家紋を入れたいと提案し、右胸に家紋のバッジを入れていただきました。

ーー演じる上で男性の役であることを意識した部分はありますか?

杏:そうですね。座る時もちょっと足を広げて座ったりとか。あとは声ですね、演じたあとはしばらく低い声が治らなくて桔梗の残像に苦しみました(笑)。

ーー今回は関西地方が舞台となるので、台詞の多くは関西弁です。杏さんの演じた桔梗も滋賀弁を喋っているんですよね?

杏:そうです。京都のキャラクターは京都弁、神戸のキャラクターは神戸の喋り方ときちんと分けているようです。でも、埼玉の人たちが“大阪人化”する時に喋っているのは、それぞれの人がイメージする関西弁という設定のようです。

GACKT:そうでしたね。みんな正確に関西弁の発音なんてできないじゃないですか。なので、その人の中にある関西人のイメージが出てきてしまうということです。

ーーでは、GACKTさんも関西弁を喋るシーンがありましたが、あの台詞にはあえて方言監修はなかったというわけですね。

GACKT:全然ないですよ。なんとなくで喋っていました。

ーー杏さんの演じる桔梗は滋賀県人と話す時は滋賀弁をしゃべりますが、方言指導はあったのでしょうか?

杏:はい、私の場合は方言指導がちゃんとありました。関西人同士で喋るときは滋賀弁が出る設定です。

ーー滋賀弁のセリフは難しかったですか?

杏:大阪弁とも若干違うので、習得するのに苦労しました。もう一つ難しかったのは、最初の脚本では、桔梗の台詞は全部滋賀弁だったのですが、撮影10日前くらいに相手が関西の人のときだけ滋賀弁を喋ることに変更になって、撮影中、つい滋賀弁の台詞が出てきてしまうことがありました。

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