古川雄大と瀧山は正反対? 『大奥』は「私たち一人ひとりに問いかけてくるお話」
『大奥』は“本当にこうだったんじゃないか”と感じるほど
――瀧山は身を売られた過去がありながら、阿部正弘に見出され、大奥で大切な人との出会いや別れを経験します。古川さんが思う瀧山の人生の魅力は?
古川:1つの出会いが180度人生を変えてしまうというのは、夢がありますよね。自分もそういう経験をしてきましたが、運命を変えるような人と人との繋がりや、出会いの大切さが瀧山にとって人生のテーマになっている。もちろん彼はいろんな人との悲しい別れも経験するけども、それを前向きに乗り越えていこうとする姿は観ている方にも力を与えるのではないかなと思います。
――そんな激動の人生を生きた瀧山のどんなところに共感し、また尊敬していますか?
古川:瀧山はすごく優秀で学習意欲があり、どんな状況であっても夢を捨てない志の高い人だと思います。また、男女問わずいろんな方を相手にできるコミュニケーション能力の高さは尊敬に値しますし、僕とは正反対ですね(笑)。一方で忠義に厚く、心を開けた方には過保護なほど愛情を注ぐところは自分と似ていて共感できます。
――瀧山は大奥総取締の在籍期間も長く、そのコミュニケーション能力の高さでたくさんの人物と接する役柄です。古川さんは共演者の皆さんとの関係性をどのように作っていかれたのでしょうか?
古川:やはり現場でのコミュニケーションです。特に正弘役の瀧内さんはお話が上手な方で、僕の方が年上なのですが、現場ではとても助けていただきました。瀧内さんとのコミュニケーションによって演技が引き出された部分もたくさんあります。瀧山が最初こそ敵視しながらも、最終的にはバディとして長年時を共にする胤篤役の福士くんとは、一番会話をしたかもしれません。福士くんもすごく明るい方で、率先して現場の空気づくりをしてくれましたし、そのおかげで距離もどんどん縮めることができました。
――瀧山が大奥総取締としてお仕えする家定役の愛希れいかさん、家茂役の志田彩良さんの印象は?
古川:愛希さんとは舞台でもご一緒させていただきましたが、一貫して職人なイメージです。周りに気を遣いながらも、現場からとても集中して家定でいるような役づくりをされているので、あまり役とのギャップがありません。一方で、志田さんはとても柔らかくかわいらしい方なのですが、家茂を演じている時は芯の強さをしっかりと感じさせます。あとはお二人ともそうなのですが、家定と家茂に共通する、周りを包み込むような存在感がありました。
――男女逆転の大奥を描く本作において、男性と女性の役割について改めて考えさせられたことはありますか?
古川:難しい問題で明確な答えはまだ見つからないんですが、僕自身は女性の方がすごいなと思うことが多々ありますが、男女は対等であるべきだなと思っています。昔は特に男女の格差が今の比にならないくらい激しかったでしょうし、物語のラストも「本当にこうだったんじゃないか」と感じるほど妙にリアルで、私たち一人ひとりに問いかけてくるお話になっているなと思いました。
――瀧山にとって、大奥とはどういう場所だったと思われますか?
古川:陰間時代からの夢が果たされた場所なのかなと思います。大変なこともありながら、誰かに忠誠を尽くし、充実した、そして夢のような時間だったのではないかと。Season2では、人というよりもその大奥にスポットが当たり、瀧山はそこにうごめく人々の思いを見守っていきます。もちろん全てが順撮りではなかったのですが、家定の次に家茂の時代という形で撮影していただいたので、僕自身も積み重なっていく人の思いというものをリアルに、より濃く感じることができました。
――改めて、本作の撮影現場はいかがでしたか?
古川:皆さんこだわりも愛情も強く、撮影以外にも作品のために割いてくださっている時間がたくさんあるのだと思います。その分、僕も負けないように頑張ろうという気持ちで撮影に挑むことができました。撮影はあとわずかしか残っていませんが、まだまだ緊張感を持って臨みたいと思います。
――古川さんは2020年のNHK連続テレビ小説『エール』以降、ドラマへの出演が相次いでいます。映像作品ならではの面白さや、ご自身なりの舞台におけるお芝居との切り替えやリフレッシュ方法などがあれば教えてください。
古川:何カ月も稽古を重ねる舞台とは違い、映像作品は現場で生まれる化学反応みたいなものが面白いのかなと思います。切り替えはあまり意識していなくて、自然と切り替わってくれていたらいいなと。自分なりのリフレッシュ方法でいえば、辛いものを食べること。得意ではないんですが、好きなんです(笑)。気分転換がしたいなと思ったら、どちらかというと僕は食に走るタイプかもしれないですね。
■放送情報
ドラマ10『大奥』Season2
NHK総合にて、毎週火曜22:00~22:45放送
出演:
【医療編】
鈴木杏(平賀源内)、玉置玲央(黒木)、村雨辰剛(青沼)、岡本圭人(伊兵衛)、中村蒼(徳川家斉)、蓮佛美沙子(御台・茂姫)、安達祐実(松平定信)、松下奈緒(田沼意次)、仲間由紀恵(一橋治済)
【幕末編】
古川雄大(瀧山)、愛希れいか(徳川家定)、瀧内公美(阿部正弘)、岸井ゆきの(和宮)、志田彩良(徳川家茂)、福士蒼汰(天璋院・胤篤)
原作:よしながふみ『大奥』
脚本:森下佳子
音楽:KOHTA YAMAMOTO
写真提供=NHK
©よしながふみ/白泉社
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