『エール』“ミュージックティチャー”古川雄大 演劇界のプリンスから独特な曲者キャラへ

『エール』“ミュージックティチャー”古川雄大 演劇界のプリンスから独特な曲者キャラへ

「だから先生はやめてぇええっ!」

 NHKの朝ドラ『エール』4週目に登場し、初回1分弱の出演時間で鮮烈な印象を残した御手洗清太郎。のちに主人公・古山裕一(窪田正孝)の妻としてともに音楽の道を歩む関内音(二階堂ふみ)の歌の先生である。

 女性言葉と個性的な動作でこの“御手洗ミュージックティーチャー”を演じるのは古川雄大。じつは彼、その美貌とキレのあるダンス、繊細な演技で多くの観客を虜にする“ミュージカル界のプリンス”でもあるのだ。

 今回はこれまで舞台の現場で何度かインタビューした印象なども含め、『エール』で視聴者に強いインパクトを残す古川雄大について書いていきたい。

 もともと長野のダンススクールでジャズダンスやバレエを学んでいた古川は、2007年にテニミュこと「ミュージカル『テニスの王子様』」に4代目・不二周助役で出演。この作品を起点に、その後もさまざまな舞台に参加する中で大きな転機となったのが、2012年に帝国劇場他で上演されたミュージカル『エリザベート』のルドルフ役だ。

 『エリザベート』は19世紀末のオーストリアにおけるハプスブルグ家の栄光と滅亡を描いた大ヒットウィーンミュージカルで……と、この話をすると止まらなくなるので割愛するが、何が言いたいかというと、古川がこの舞台で演じたエリザベートの息子・ルドルフ役は、ミュージカルスターの登竜門のひとつということである。

 美しく繊細、青白い炎を放つような古川の演技は高い評価を受け、彼はプリンスとして大舞台の階段を駆け上がっていく。フレンチロックミュージカル『ロミオ&ジュリエット』ではロミオ役を担い、枢やな氏の同名漫画を原作とした「ミュージカル『黒執事』」では悪魔のセバスチャン・ミカエリスを演じた。

 そして2018年には100年以上の歴史を有し、客席数約1900の帝国劇場にてミュージカル 『モーツァルト!』のタイトルロール、ヴォルフガング・モーツァルト役として舞台の芯に立つ(山崎育三郎とのWキャスト)。劇団四季や宝塚歌劇団などの大手劇団や音楽大学の出身者ではない俳優がこれを成すのは異例と言っていい。

 これまで主演作を含む出演舞台の取材で何度か古川雄大にインタビューしたが、その際の一貫した印象は「生活感をまったく感じさせない人」。もともと大型ミュージカルはわたしたちの日常とは違う世界観を描くことが多いとはいえ、舞台上や稽古場以外の姿がまるで想像できない俳優は珍しい。

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