『単身花日』ドロドロとコメディの見事なバランス 重岡大毅のチャーミングな演技が光る

『単身花日』ドロドロとコメディのバランス

 さらに、花と片山の謎めいた関係も少しずつ明らかになってきた。片山は、同級生の清水めぐみ(長井短)が営む「スナック花日」で、「プレイボーイだった父が、愛人のひとりに刺されて死んだ」と語っていたが、その回想で、幼少期の片山と手をつないでいたのが「花」と呼ばれる女の子だったのだ。その後、「だって俺たちは、血のつながった……」とつぶやいていたことを考えると、花と片山がきょうだいだという可能性も?

 そうなると、異常に花を心配していることへの辻褄が合うし、桜木に「お前だけが花の希望なんだ。だから、花を泣かすようなことをしないでくれ」とお願いしたのも、家族愛からくるものだったのかもしれない。とりあえず、片山がこの物語の鍵を握る人物になるのは間違いないだろう。

 花の“沼”に、ズブズブハマっている舜。ちょうどその頃、ゆり子も会社の後輩・坂梨修二(野村祐希)と一夜の過ちを犯していた。このドラマ唯一の常識人だったゆり子まで、恋に翻弄されてしまったとなると、なんだかもう救いようがない気がしてしまう。

 赤い薔薇の花言葉のひとつに、「貞節」があるらしい。片山は、自身の父はプレイボーイだったくせに、母には貞節を求めていたと話していた。舜も、好き勝手なことをやっているが、妻が不貞行為をしていると知ったとき、許してあげられるのだろうか。

 また、花が舜にそっくりな人を夫に選んだのは、やはり未練があったから? そして、片山はそれを知っているのだろうか。まだまだ謎が多い『単身花日』。四角関係に坂梨が介入したことで、さらにドロドロしていくであろう今後に期待したい。

■放送情報
『単身花日』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:00~23:30放送
出演:重岡大毅(WEST.)、新木優子、田中樹(SixTONES)、高梨臨、長井短、前原瑞樹、金澤美穂、宮崎莉里沙、小沢真珠、茅本梨々華、染谷隼生、高村佳偉人
原作:いわしげ孝 『単身花日』(小学館『ビッグコミックス』刊)
脚本:川﨑いづみ
演出:森脇智延、神徳幸治、瀬野尾一
音楽:沢田完
ゼネラルプロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)
プロデューサー:川島誠史(テレビ朝日)、島本講太(ジェイ・ストーム)、松山雅則(トータルメディアコミュニケーション)、小杉真紀(トータルメディアコミュニケーション)、石田菜穂子(テレビ朝日)
制作協力:トータルメディアコミュニケーション
制作著作:テレビ朝日、ジェイ・ストーム
©︎テレビ朝日
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