『単身花日』重岡大毅演じる舜の“脇の甘さ”が露呈 新木優子が新境地となる役柄で怪演

『単身花日』新木優子が新境地の役柄で怪演

 “正統派ヒロイン”を演じることが多かった新木優子にとって、武田(桐野)花は新境地を開く役柄になる。トンチキ要素がたっぷり詰まった『単身花日』(テレビ朝日系)第2話を観て、そう確信した。

 登場人物表を見た時、花は新木が今まで演じてきたようなマドンナ的存在だと思い込んでいた人も多いのではないだろうか。自ら相手を誘惑する……というよりは、知らず知らずのうちに周囲が惹きつけられてしまうような。もちろん、第1話で「あれ?」と思うシーンはあったが、狂っていくのはてっきり桜木舜(重岡大毅)の方だと思っていた。

 しかし、第2話の花はとにかくやばい。これはもう、“怪演”と言ってもいいだろう。舜が、妻のゆり子(高梨臨)と話しているところにヌッと割り込み、耳元で「トンカツ、好きなんだ」とつぶやく。さらに、みんなが集まっているにもかかわらず、机の下で舜の足をさすさす。そして、「靴下、左右ちがうね? おっちょこちょいやね」と不敵に笑うのだ。魔性というよりは、正直かなり怖い。既婚者の舜の家に押しかけて、「来ちゃった」と満面の笑みを見せた場面は、「いやいや、来ちゃダメだろ!」と心のなかでツッコミを入れてしまった。

 『単身花日』は、“単身赴任ラブサスペンス”ということもあり、ハラハラする場面が多い、しかし、暗い気持ちにはならないというか。時折、クスッと笑ってしまうのはなぜだろう。登場人物たちは、みな大真面目に悩んでいるのだが、私たち視聴者はフランクな気持ちで楽しむことができるのだ。どこか、2017年放送の『奪い愛、冬』(テレビ朝日系)を想起させるシーンが多いのは、川島誠史がプロデュースに携わっているからだろうか。

 水野美紀演じる蘭が、「ここにいるよー!」とクローゼットから飛び出す“名場面”が有名な『奪い愛、冬』。同作は、“不倫される側”が怪演を見せることが多かったが、『単身花日』は“不倫する側”の花がクレイジー。今のところは、明るく聡明で、妻の鏡のようなゆり子だが、舜の心の揺れに気付いた瞬間、どんどん変わっていく可能性もあるだろう。また、ファミリーレストランで、花に水をぶっかけていた片山直哉(田中樹)も、理由はともあれかなりやばい人物だ。

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