『呪術廻戦』漏瑚の最期は真に“人間らしかった” 甚爾が恵にかけた言葉に滲む優しさ

『呪術廻戦』漏瑚の最期は人間らしかった

「分かっていた……分かっていたことだ!! だがここまで……!!」

 宿儺は自分の身体に一撃を入れることができたら呪霊の下につくことを宣言。渋谷を舞台に宿儺と漏瑚の壮大な決闘が開幕した。『呪術廻戦』第40話「霹靂」は、伏黒甚爾と伏黒恵の親子の対決からスタートする。

 フィジカルギフテッドである甚爾の強大な力に苦しめられる恵。いつも通り相手に勝つイメージを膨らませるが、甚爾のオーラに圧倒される。すでに陀艮との戦いで呪力が少なくなっていた甚爾は有効打を当てることすらできない。攻撃に適していない脱兎で相手を撹乱させながら肉弾戦に持ち込むが、甚爾にはそれは無謀だ。恵が召喚した脱兎も一瞬で粉々にされてしまう。建築途中のビルでの戦闘シーンはアニオリ描写。ビルからビルに飛び移る恵のアクロバティックは見応えがあった。追い詰められる恵だったが、唯一のアドバンテージは反転術式で治療ができる家入硝子が近くにいることだ。その上で恵は家入の治療の範囲内で決着をつけることを決意する。甚爾の間合いを確認し、タイミングを合わせて打ち取る。だが、もし失敗すればそれは恵の死を意味している。脱兎の活躍もあってタイミングをずらすことに成功した恵だが、甚爾にあっさりと回避されてしまった。

『呪術廻戦』

 甚爾が過去に禪院家と取引をしていた過去が明かされる。「もうどうでもいい。どうでもいいんだ」といった発言からは甚爾は恵に対して特別な思いがあったことが分かる。だが、恵は今目の前にいる人物が実の父親であることは知らない。「禪院じゃねぇのか。よかったな」という言葉を残して自害した甚爾。その言葉には優しさが滲んでいた。恵は最後まで知らされずに別れることになったのだが、恵にとってはそのほうがよかったのかもしれない。だが、甚爾は父親としてもっと伝えたいことがあったのではないだろうかと考えてしまう。なんとも切ない甚爾の最期だった。

 一方で、日下部篤也とパンダの前に夏油一派の呪詛師・祢木利久と菅田真奈美が現れる。彼らの目的は呪術師を狩ることではなく投降させることだった。だが、日下部は相手の実力を見極めた上で戦うことを決意する。

「俺が『よし』と言うまで動くのを禁ずる。禁を破ればもちろん殺す」

『呪術廻戦』

 しかし、渋谷では宿儺と漏瑚の戦いがより一層激しさを増していた。漏瑚の術式によって火の海と化していく渋谷。広大な渋谷を舞台に空中戦を繰り広げる戦闘シーンの作画は高クオリティで描かれており、それゆえに原作以上に宿儺の強さが際立つ。漏瑚は最後の力を振り絞るように「極ノ番・隕」の構えを見せる。「極ノ番・隕」はビルでさえもいとも簡単に吹き飛ばしてしまえるほどの膨大な火の玉。たとえ宿儺であっても直撃すればかすり傷では済まない。日下部とパンダはその惨状を見てその場から逃げようとするが、そこに割って入ったのが宿儺。日下部とパンダたちに動くことを禁じる宿儺だったが、その表情は戦いを楽しんでいるようだ。

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