『ゼイチョー』“人生を懸けた約束”の顛末 出演作続く柿澤勇人×味方良介×小林涼子の存在感

『ゼイチョー』味方良介らの好演

 サッカー界イチのビッグマウスが背負った“人生を懸けた約束”の顛末が描かれた『ゼイチョー〜「払えない」にはワケがある〜』(日本テレビ系)第4話。

 今回、徴税吏員・饗庭(菊池風磨)、百目鬼(山田杏奈)、浜村(白洲迅)が対峙する滞納者は、プロサッカー選手でワールドカップに2度出場経験のある元日本代表・小田倉翔馬(柿澤勇人)だ。世間を賑わせる人気選手だったが2年前の脚の故障をきっかけに2部リーグに移籍。年俸8,000万円が翌年には400万円になる、これがプロの世界の厳しい現実で、スポーツ選手が翌年の税金に苦しむという“スポーツ選手あるある”だ。選手生命も短く、その後のセカンドキャリアを築くのも難しいため、引退後に滞納してしまう人も少なくないという。家計管理を任されている妻・涼花(小林涼子)は小田倉の復帰をかけた大事な時期に練習に集中してもらえるようにと滞納のことも本人の耳には一切入れないでいた。

 しかし、本心を隠していたのは小田倉も同じで、実はもう自分が現役選手として返り咲くことができないと自身の限界を悟っていた。それでも必死で家計をやりくりし、生活の全てを“サッカー選手の自分を支える妻”であることに捧げている最愛の涼花にはそのことを伝えられず、脚の回復も順調だと実態とは正反対のことを口走ってしまう。プロポーズの際に涼花と交わした“世界で一番幸せにする”という約束を守れていないことを負い目に感じ続けている小田倉は、彼女への申し訳なさと、それゆえ彼女を自分から解放するために大芝居に打って出ることを決めたのだ。自らスポーツライター・犬飼(味方良介)に依頼し、自分の滞納の件と涼花に見放されるようなスキャンダルをでっち上げ記事にしてもらう。小田倉と犬飼はユース時代に同じチームでプレーしていた仲で、どんな状況にあっても虚勢をはり続けビッグマウスでい続けようとする小田倉の苦悩を見抜き、涼花同様に小田倉の一番のファンとして犬飼なりに彼の力になりたいと願って協力することにしたのだ。

 小田倉役を演じる柿澤勇人は、『真犯人フラグ』(日本テレビ系)でもサッカーコーチ役を熱演していたのが思い出される。犬飼役の味方良介は『罠の戦争』(カンテレ・フジテレビ系)では疑惑の人物としてずっと主人公に追われる難役を好演しており、二面性があり裏表の激しい役どころが続いている印象だ。本作でも、浜村から小田倉の懐事情を聞き出そうとする姿は本当に小田倉の味方なのか、それとも敵なのかわかりかねる本心の見えなさがあった。NHKドラマ10『大奥』 Season2「幕末編」での勝義邦(海舟)役としての出演も控えており、どんな新たな顔を見せてくれるのか楽しみだ。

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