『君となら恋をしてみても』大倉空人×日向亘のフレッシュな演技が光る 若手製作陣にも注目

『君となら恋をしてみても』若手製作陣に注目

 現在放送中の連続ドラマ『君となら恋をしてみても』(MBS)は、シリーズ累計10万部を突破した窪田マルによる同名コミックが原作。江の島を舞台に、転校生の海堂天(大倉空人)と、心優しい世話焼き高校生の山菅龍司(日向亘)の恋愛模様が描かれていく。

 本作は、ストーリーや美術の完成度が非常に高い。さらに江の島という舞台の美しさも相まって、刹那的である高校生たちの眩い恋愛がより一層際立っている。それは前途有望な若手俳優たちが織り成す演技に加え、若き製作陣の見事な演出が組み合わさったからだ。

 
 天を演じる大倉は『マイ・セカンド・アオハル』(TBS系)、龍司を演じる日向は『うちの弁護士は手がかかる』(フジテレビ系)など、今期放送中のゴールデン帯のTVドラマにも出演している。2人とも主演経験が数多くあるわけではないが、本作では生き生きと演技をしており、それが本作の魅力を最大限に引き上げているのだ。

「当たり前って簡単じゃないし、龍司くんは胸張っていいと思うよ」

 これは、第1話の龍司の家の食堂でのシーンで、天が龍司に言ったセリフである。天はひょうひょうとしていたものの、龍司を通して自分自身のセクシュアリティからくるトラウマを思い起こして出た言葉である。それと同時に、家業を手伝うのが当たり前だと思っていた龍司にとっては、自分の気付かなかった心を拾い上げ、寄り添ってくれた言葉でもあった。

 
 天を見つめる龍司の表情、2人の距離感、美味しそうに食べる天の顔……。これらが印象的に記憶されているのは、彼ら本人たちから溢れ出ているフレッシュさと眩さが作品とマッチしているからだろう。このような大人と子供の狭間にいる男子高校生が醸し出す特有のやわらかさ、愚直さ、素直さ、温かさ、甘酸っぱさは、この2人だからこそ際立っているのだ。

 そして、そんな2人を支えている主要な製作陣もまた、注目されている若手のホープなのである。

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