朝ドラ『ブギウギ』愛情を“応援”で示したツヤと梅吉 家出した大和が親に思うこと

『ブギウギ』愛を“応援”で示したツヤと梅吉

 そんな親と子を複雑な気持ちで見つめていたのが大和だ。彼女は歌劇団に入るのを両親に反対され、家出同然で大阪に出てきた。スズ子たちのように、自分は歌ったり踊ったりしている姿を親には見てもらえない。そういう寂しさをグッと堪えながら、みんなの親を安心させるために稽古風景を見せたのかと思うと涙ぐましいものがある。

 「自分自身が一番大事」とは言うけれど、実際は誰より他人思いな大和。だからこそ、橘(翼和希)はもどかしいのかもしれない。これ以上、大和に自分を犠牲にして闘ってほしくなくて、橘は必死で彼女を止めたがそれは叶わなかった。でも、もしかしたら自分と同じく大和に思いを寄せる股野(森永悠希)なら……。橘は悔しくも、託すような気持ちで「あんたはこれでええんか」と股野にはっぱをかけたのではないだろうか。

左から、大和礼子(蒼井優)、福来スズ子(趣里)。 山寺・参道にて。親たちが帰るところを見送る大和とスズ子。

 大熊もまた、林(橋本じゅん)の「大和かて、いつまでも子供やおまへん」と言う言葉で大和と出会った15年前に思いを馳せる。親と縁を切った大和にとって自分をレビューガールとして育ててくれた大熊は親代わりのようなもので、大熊にとっても大和はどこか自分の娘みたいな感覚なのだろう。そんな大和に初めて反発され、内心動揺して意地を張っているだけにも思える。大和を中心にそれぞれの思いが複雑に絡み合う争議は、果たしてどんな着地を見せるのだろうか。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
写真提供=NHK

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