ムロツヨシが『うちの弁護士は手がかかる』にもたらす影響 女性の魅力を引き立てる演技

ムロツヨシの女性の魅力を引き立てる演技

 こうしてムロは、時にはオドオドする演技で、またある時には自信たっぷりだがどこか優しさのある演技で、接する女性をさらに魅力的に見せたり、また違った魅力を引き出したりしているのである。

 蔵前と杏は現在、関係を構築中だ。自分が正しいと思ったことはやり通したいが、その若さゆえにやり方が荒削りな杏は、うまく物事を運べないことにいつも苛立っている。第1話では、蔵前は絶対に裁判に持ち込みたい杏と和解交渉に切り替えたい所長・香澄今日子(戸田恵子)の間に立ち、「勝ってはいないが負けてもいない」方法で、吉岡の気持ちを救い、静川を反省させ、社会的制裁を受けさせた。結果として勝ち負けははっきりしていない。でも考えてみると、私たちが生きる現代社会の中では白黒はっきりする物事は少ない。グレーの中でどうやって満足度の高い結果を出すかが大切になる。蔵前は芸能界という厳しい世界で30年も生き抜いてきた。きっとそのノウハウも身についているに違いない。そういう部分が、吉岡が言った「亀の甲より年の功」なのだろう。杏に足らない部分は今後、そんな年の功がある蔵前がフォローをしてくれることを期待したい。

 すでにちょっといいコンビ感が出ている蔵前と杏。ふたりがこれからどんな裁判案件に立ち向かい、成長を遂げていくのかが楽しみだ。

■放送情報
『うちの弁護士は手がかかる』
フジテレビ系にて、毎週金曜21:00〜21:58放送
出演:ムロツヨシ、平手友梨奈、吉瀬美智子、菅野莉央、日向 亘、安達祐実、村川絵梨、松尾諭、大倉孝二、酒向 芳、戸田恵子、江口のりこほか
脚本:服部隆、おかざきさとこ、西垣匡基
演出:瑠東東一郎、相沢秀幸
プロデュース:金城綾香
主題歌:ザ・ローリング・ストーンズ「アングリー」(ユニバーサル ミュージック)
制作:フジテレビ ドラマ・映画制作部
制作著作:フジテレビジョン
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/uchiben_kin9/
公式X(旧Twitter):@uchiben_kin9_cx
公式Instagram:@uchiben_kin9_cx

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