実写版『ONE PIECE』で土下座しない“令和ナイズ”されたサンジ キャラの本質を考える
ちなみに、サンジ役を務めたタズ・スカイラーは、サンジの華麗な足技をスタントマンやCGを使わずに自力で演じるために、過酷なトレーニングを行ったと言われている。実写化とはいえ、アクションシーンにおいて一切の妥協はなし。足技のトレーニングは1日1時間から始まり、最終的には1日8時間まで伸びたそうだ。さらに、スカイラーは格闘技の経験がない状態からスタートしたことを鑑みれば、その努力量は計り知れない。彼が本作で披露した、完璧な赫足のゼフ直伝の蹴り技に改めて拍手を送りたい。
実写版では原作のギャグ要素が控えめになった結果、令和ナイズされたエレガントなサンジが誕生したわけだが、この例はルフィやゾロ、ナミにも一部共通している。『ONE PIECE』として成り立たなくなってしまっては元も子もないからこそ、制作側が“キャラらしさ”として何を残したのか。実写版『ONE PIECE』が描き出したキャラクター性こそが、実は彼らの芯となる本質なのかもしれない。
■配信情報
Netflixシリーズ『ONE PIECE』
Netflixにて独占配信中
原作&エグゼクティブ・プロデューサー:尾田栄一郎
脚本&ショーランナー&エグゼクティブ・プロデューサー:マット・オーウェンズ、スティーブン・マエダ
キャスト:イニャキ・ゴドイ(モンキー・D・ルフィ)、新田真剣佑(ロロノア・ゾロ)、エミリー・ラッド(ナミ)、ジェイコブ・ロメロ・ギブソン(ウソップ)、タズ・スカイラー(サンジ)、ヴィンセント・リーガン(ガープ)、モーガン・デイヴィス(コビー)、 ジェフ・ウォード(バギー)、マッキンリー・ベルチャー三世(アーロン)、セレステ・ルーツ(カヤ)、エイダン・スコット(ヘルメッポ)、ラングレー・カークウッド(モーガン)、ピーター・ガジオット(シャンクス)、 マイケル・ドーマン(ゴールド・ロジャー)、イリア・アイソレリス・ポーリーノ(アルビダ)、スティーヴン・ウォード(ミホーク)、アレクサンダー・マニアティス(クラハドール)、クレイグ・フェアブラス(ゼフ)、チオマ・ウメアラ(ノジコ)
©尾田栄一郎/集英社