『トリリオンゲーム』ハルとガクの見事な大逆転劇 俳優として新たな道を切り開いた目黒蓮

『トリリオンゲーム』ハルとガクの大逆転劇

 金曜ドラマ『トリリオンゲーム』(TBS系)がついに最終回を迎えた。それは、ガク(佐野勇斗)が、そして私たち視聴者が信じてやまなかった「ハル(目黒蓮)ならば、必ずやこの難局も乗り越えてくれるだろう」という期待に、しっかりと応えてくれたエンディングだった。

 ドラゴンバンク社の社長・黒龍(國村隼)から「君が大事にしている仲間たちは全員地獄に落ちる」と伝えられたハル。その言葉通り、これまでトリリオンゲーム社を盛り上げてきた仲間たちが、大切にしてきたものが次々に奪われていく。黒龍が手を回したスパイにより、トリリオンゲーム社は全ユーザーの情報が漏洩してしまう。その責任を取り、まずは凜々(福本莉子)はトリリオンゲーム社の社長を退くことに。会社としての価値も一気に下がり、まさに「ゲームオーバー」状態へと追い込まれる。そして、このタイミングで黒龍は一気にトリリオンゲーム社をドラゴンバンクグループへと吸収していくのだった。

 あれだけハートを持って仕事をしていた桜(原嘉孝)や蛇島(鈴木浩介)らゲーム事業部メンバーも、そして真実を伝え続けた報道プロデューサーの功刀(津田健次郎)やアナウンサーのあかり(百田夏菜子)も、ドラゴンバンク社の傘下になった途端に用済み状態に。しかも、新社長を連れてきたのが、ドラゴンバンク社の役員となったハルだったのも、彼らに衝撃を与えた。「これも得意のハッタリなんだろう」と誰もが願った。これまでもどんなにハラハラさせられても、最後は仲間を守ってきたハルのことだ。きっと何か考えがあってのことに違いない……そんなみんなの期待通り、ついにハルの大逆転が始まる。

 黒龍を追い詰めるには、その懐に入るしかないと考えたハル。役員として近づき、黒龍の不正を暴く証拠を手に入れようと画策していたのだった。さらに、不正を暴いても情報をすぐにマスコミに圧をかけて隠蔽されると読んだハルは、ガクにパソコンのカメラをハッキングさせ、その瞬間を押えることにも成功する。一時は、ガクがハッキングする様子を隠しカメラで撮影し、2人を仕留めたと思っていた黒龍。

 だが、ハルに同じカメラという技で反撃されてしまう結果に。まさに「目には目を歯には歯を」だ。黒龍がやっていることも、ハルがやっていることも犯罪スレスレ……というか、もはや犯罪だ。それくらいのことをしてくる黒龍には、同等のワルにならなければ勝てないとハルは、ガクや仲間たちを巻き込まないためにすべて単独で真っ黒な道を進んでいったのだ。

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