今田美桜が語る『トリリオンゲーム』での挑戦 再共演の目黒蓮は「撮影に対してストイック」

『トリリオンゲーム』今田美桜が“桐姫”を語る

 目黒蓮が主演を務める『トリリオンゲーム』(TBS系)が最終章へ突入している。原作では描かれていないドラマオリジナルの物語が展開される中で、原作以上の存在感を放っているのが、今田美桜が演じる桐姫こと黒龍キリカだ。ともすれば滑稽にみえかねないド派手なファッションと立ち居振る舞いも、今田は現実に確かにいるキャラクターとして見事に成立させている。キリカを演じる上で何を大切にしていたのか。じっくりと話を聞いた。(編集部)

今田美桜にとってキリカは「カッコよくて憧れる女性」

――黒龍キリカ(通称:桐姫)を演じるにあたって意識していることは?

今田美桜(以下、今田):キリカは社長令嬢であり、かなり仕事ができるビジネスマンでもあって。24歳の設定ですが、黒龍家で育てられたということで、品格みたいなものはきっとあるんだろうなと思っていました。キリカがやってきたのはすごいことだけど、若いということで(キリカ自身が)重厚感を意識的に出しているんじゃないかなとも思うので、あまり早口にならないように。あとは、「國村さんが瞬きをしないように意識されている」と監督経由でチラッとお聞きしたので、「お父さんがそうなのであれば」ということと、「その方が圧も出るのかな」と思って、できるだけ瞬きをしないようにしています。

――そんな國村隼さんとのお芝居はいかがですか?

今田:「はじめまして」が社長室のシーンで、ギロッと見られた瞬間はドキッとしましたが、引いちゃダメだと思って(笑)。最初は目線をそらしたくなるくらい緊張しましたけど、「負けないぞ!」という気持ちでやっていました。でも、カメラが回っていないところではすごく和やかな方で、楽しく撮影させていただいています。

――キリカを演じる上で、監督からはどんなリクエストがありましたか?

今田:「表情がコロコロ変わるようにしたい」という話は最初からありました。キャピキャピした女の子ではないけれど、「無邪気な一面との差を出せたらいいね」と話していました。

――キリカと今田さんの共通点は?

今田:ずっと考えていたんですけど、見つけることができずに「もう撮影が終わる」みたいな(笑)。でも、キリカのわがままには理由があるというか、結局は会社のためを思って「(ハルとガクの)才能が欲しい」と言っているんですよね。第9話、第10話でキリカの人間味みたいな部分が少し見えますけど、お父さんを尊敬した上で、“お父さんの娘だから”と自分のブランド作りをしていたんだなと思うと、すごくカッコいいし、きっと大変だったんだな、と。(キリカのようには)なれないけど、カッコよくて憧れる女性だなと思います。

――同じ服を一度しか着ないキリカですが、どの衣装がお好きでしたか?

今田:ホストクラブに行ったときの、上半身が黒で、下がふわっと広がっている服はすごく素敵でした。あとは、第8話で庶民的なやきとり屋さんに行くシーンでは真逆の真っ白なドレスを着ていまして。それは“大衆居酒屋と似つかわしくなさすぎる”というギャップも込みで、すごく好きな衣装です。

――これまでの撮影で、印象に残っているシーンを教えてください。

今田:緊張したのは、第1話のビリヤードのシーンです。それまであまりやったことがなかったので、事前に先生にいろいろと教えてもらいました。喋りながら流れでビリヤードをするようなシーンだったので、無事に終わってホッとしました(笑)。

――では、楽しかったシーンは?

今田:遊園地のシーンです。あそこまではっちゃけるキリカってなかなかないので、あのシーンは原作漫画でも大好きです。子どもらしいというか、年相応のキリカが見られるシーンなので、素直に楽しく乗り物に乗っていました(笑)。

――映画『わたしの幸せな結婚』以来、2度目の共演となる目黒さんの印象を聞かせてください。

今田:前回はお互いにわりと陰な役だったので、撮影するときのやりとりが全然違いますね。バチバチに対立するのは初めてなので、そのやりとりを楽しませていただいています。目黒さんは撮影に対してストイックな方だなと、今回あらためて思いました。

――撮影していく中で、刺激を受けたことは?

今田:目黒さん自身は、ハルみたいに喋る方ではないのかなと思うので、お忙しいのにずーっと出ずっぱりで、ハルのキャラクターを保っているのはすごいなと思います。私もそこに対峙していく役なので、押しに負けないようにしたいなと思っています。

――対峙するシーンの撮影前には、何か話し合うようなこともありますか?

今田:あまりないです。でも、共演が2回目ということもあるのか、ちゃんと受け止めてくださるという信頼があるので、遠慮せずにいけるなと思っています。なので、あまり話さずともハルとキリカが作り合えているな、と感じています。

――佐野勇斗さん、福本莉子さんの印象はいかがでしょうか。

今田:佐野さんとは今回初めてご一緒しますが、役とは逆の印象があります。遊園地では2人のシーンだったのでいろいろとお話しさせていただいて、なんか面白いことを言われたんですけど……忘れちゃいました(笑)。でも、すごくフランクな方です。今回のメンバーの中でもムードメーカーのイメージですし、面白い方だなと思っています。福本さんは第2話の中華料理屋のシーン以来、第8話までまったくお会いしていなくて。たくさん話せてはいないんですけど、さっぱりしていて、かわいらしい印象ですね。昨日、ご年齢を聞いてびっくりしました。すごくしっかりしていて、大人っぽいなと思います。

――役として交流が多い、秘書役の竹財輝之助さんについては?

今田:みなさん共通してそうなんですが、あまり役の話をすることはなくて、竹財さんとも他愛ない話をして盛り上がっています。昨日は、プロジェクターのスクリーンで一緒に影絵を作って遊んだりしていました(笑)。竹財さんもすごく優しくて柔らかい方なので、毎度撮影を楽しみにしています。

――キリカ役で新たな挑戦だったと思うことや、得たものはありますか?

今田:この役は、全体的に挑戦だなと思っています。“わがままなお嬢様”というのは学生役ではありましたけど、今回はビジネス用語がたくさん出てきたり、すごく重厚感のある役ということで、撮影に入るまでは不安もありました。あとは中国語だったりフランス語だったり、役としていろんなことに挑戦させていただいて、自分の中でたくさんの経験ができた作品かなと思います。

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