『呪術廻戦』蝗GUYとのバトルはまるで『ドラゴンボール』 変更された「渋谷事変」の演出

『呪術廻戦』変更された「渋谷事変」の演出

 2018年10月31日、東急百貨店東急東横店を中心に帳が降りた。『呪術廻戦』第32話「渋谷事変」では、虎杖悠仁vs蝗GUYと五条悟vs漏瑚・花御・脹相の対照的な戦闘シーンが描かれた。

 渋谷駅と同様に帳が降りた明治神宮前駅。その知らせを受けた虎杖は冥冥と弟の憂憂とともに明治神宮前駅へと向かう。事態は一刻を争うことは言うまでもない。冥冥は烏を使って、駅構内の様子を伺うも何者かに狩られてしまった。冥冥は虎杖に対し、「弱い改造人間を沢山殺すのと強い呪霊を1体祓うのどっちがいい?」と尋ねるが、虎杖の答えはもちろん強い呪霊を祓うこと。それも因縁の相手である真人がいるとあれば迷っている暇はない。

 虎杖が真人にここまで執着している理由は、アニメ第12話で友人であった吉野順平が真人の無為転変によって無理な改造を強いられたことにより死なせてしまったことへの怒り。一時は争っていた2人だが、虎杖の説得もあり吉野は呪術高専へ入学することを決めていた。だが、真人の登場により事態は急変。虎杖の呪霊への憎悪はこの日を境に大きなものになっていった。虎杖の「俺は、もう負けないから」という力強い言葉からは覚悟が伝わってくる。

 意を決して向かった先に待っていたのは真人ではなくバッタの呪霊・蝗GUY。実はこのキャラクター、ネタキャラとしても知られているのだ。「賢い奴は、あまり自分のことを賢いって言わん」「そーなの!?」のやり取りは原作でもシュールな笑いを感じることができたが、アニメではもう少しテンポ感のある演出になっていて、より蝗GUYのネタキャラっぷりが強調されていた。

 とはいえ、一応蝗GUYの名誉のために説明しておくと、彼はバッタの大発生に伴う大規模な災害「蝗害」への恐れから生まれた2級呪霊。近年ニュースなどでもアフリカや中東、インドなどでバッタの大量発生を耳にすることが多い。大量にバッタが飛び交う映像は衝撃的だが、何よりもバッタによって多くの穀物が食い荒らされ、大きな損害が発生しているという。『ドラゴンボール』に登場するセルを彷彿とさせる姿かたちだけではなく、殴り合いの戦闘シーンはまるでサイヤ人同士の戦闘を見ているほどの迫力があった。これだけ聞くとかなり強い呪霊なのではないかと思ってしまうが、最後の手段として腹部を伸ばして応戦するも虎杖にあっさりと負けてしまったのがネタキャラと言われる所以だろう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アニメシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる