『呪術廻戦』最期を遂げた“究極メカ丸”与幸吉の三輪霞への思い 「渋谷事変」の幕が上がる

『呪術廻戦』与幸吉の三輪霞への思い

 ついに「渋谷事変」の幕が上がった。9月7日放送の『呪術廻戦』第31話「宵祭り」の後半で描かれたのは、シリーズ屈指の長編として数えられるテロ事件だ。原作読者は「いよいよか……」という心の準備に入っただろうし、アニメや映画から入った視聴者はこれから何が起こるのか固唾を呑んで見守っているところだろう。そう、ここからは呪術師として戦う意味がシビアに描かれる。

※本稿は第31話のネタバレを含みます。

 第31話のタイトル「宵祭り」とは、祭日の前夜に行われる祭りのことを指す。それはすなわち夏油傑や呪霊たちにとっての祝祭であり、それに当たるのが究極メカ丸こと与幸吉との一連の対決だった。与幸吉は、第1期では呪術高専京都校の学生として高専内部の情報を流すという裏切り行為を行ったことで疑いをかけられる。だが、実際には真人の「無為転変」によって自らの身体を治癒してもらうことと京都校の人間には手を出さないことの2つを条件に高専内部の情報を流していたのだ。これを是とするか非とするか。それは当事者にしか分からない。ただ一つ言えることは、与幸吉にとって京都校の仲間は大切な存在だということだ。思い返してみると、第1期でも与幸吉は京都校の仲間たちと会うことが夢だと語っていた。

 それも呪霊側の裏切りによって、真人との直接対決が勃発。新たに登場した「究極メカ丸絶対形態」の登場シーンは、芥見下々が影響を受けたという『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する初号機の咆哮を彷彿とさせ、原作では詳細に描かれていなかった操縦部もよく類似している。『新世紀エヴァンゲリオン』へのリスペクトが節々と感じられるド派手なアクションシーンは両作を知るファンにとってはクスッと笑みが溢れたのではないだろうか。

 肉体を縛られた年月(17年5カ月6日)で得た呪力を使ってチャージ1年「大祓砲」、チャージ2年「二重大祓砲」と攻撃をするが、真人の表情は余裕だ。そんな真人を横目に与幸吉が新たな術式で魂を破壊するが、真人の領域展開「自閉円頓裹」で窮地に落とされてしまう。そんな状況の中、与幸吉は平安時代に蘆屋貞綱によって考案されたシン・陰流「簡易領域」で領域展開から身を守ることに成功する。

「勝てる!! 皆に会える!!」

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アニメシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる