『何曜日に生まれたの』雨宮純平役で存在感を発揮　YUが語る、“縁”で繋がった自身の旅路

台湾に行き始めた時に感じた“生きづらさ”

ーーこれまで台湾で活躍されてきたキャリアがあり、『We Best Love』などですでに世界的にファンを獲得している印象です。先日はデビュー2周年のお祝いイベントも開催され、本作『何曜日に生まれたの』でも新たにファンが増えたと思いますが、YUさんにとってファンとはどんな存在でしょう？

YU：『We Best Love』を撮り終わってからコロナ禍に入り、ファンの方たちに会えなくなってからはSNSのメッセージやお手紙をいただいて。それは僕の活動のエネルギーにもなりました。「まだ応援してくれているんだ」って昔からコメントしてくれるアカウントとかあるじゃないですか。「まだ見ていてくれているんだ」って、本当に嬉しく思います。ファンの方たちあっての僕です。特に台湾の方ってすごいお手紙を作ってくれたり、周年記念や誕生日の時には本でお手紙を作ってくれたりとかするんです。そういうのを見ると、本当に感動します。

ーー私も海外にいた時に台湾の友達がたくさんできたのですが、本当にみんな温かくて優しいですよね。

YU：そうなんですよ、それは台湾に行き始めた頃に僕も感じたことで。台湾の方ってすごく人を受け入れてくれるし、あったかいし、助けてくれるんですよね。

ーー14歳の頃、台湾に行き始めた時に感じた難しさをテーマにした曲も作られていますが、今振り返ってみると具体的にどんなことに悩んでいましたか？

YU：なんて言うんですかね、すごく生きづらかったです。「何をやってもうまくいかない」と思って、やさぐれていました。その時の環境が僕には合わなかった。大学の時に台湾にまた来て、その時に「また必死に生きてみよう」って思ってから、その辺の感じ方は変わりましたね。

ーー『We Best Love』では挿入歌も担当されていましたが、キャスティング経緯の経緯が面白いですよね。

YU：そうですね。MVを撮っていたんですけど、ドラマのプロデューサーさんがそれを見たんです。そして資料を渡して「この人、お芝居できるの？」って話になってオーディションに行ったら配役が決定しました（笑）。

ーーミュージシャンからスタートし、現在俳優としても精力的に活動されていますが、その旅路を振り返って、いま何を感じますか？

YU：お芝居と歌うことに対してというより、これはずっと言っていることなんですけど、 “ご縁”ですよね。ご縁があっていろんなことが繋がって。『何曜日に生まれたの』も、この前に撮っていたドラマがあって、それを撮っていたから日本にいて、本作のオーディションを受けることができました。出会うべくして出会う、ということはお仕事をしていて感じますね。

ーーすべてが必然的だと。

YU：必然的って感じるようになりますね。その瞬間はそう感じられないんですけど、思い返してみるとそうなんです。

ーー新曲の『梅雨のち晴れ』も、「疲れた」ことを肯定するような歌詞が印象的でしたが、音楽は普段どのような過程で作っているんですか？

YU：普段は本当にもう夜中から書き始めることが多いですね。お酒を飲みながら、僕が思っているテーマがあるのでそこに向かって書き進めるんですけど、今回の『梅雨のち晴れ』はこれまでと違って、真昼間のカフェに行って作ったんです。そこの歌詞の出方が半端なかったですね。その時は「疲れちゃったな」って、日本にいる感覚と子供の頃を振り返るようなノスタルジックな気持ちにさせられる音楽に合わせて、カフェに座って周りを見ながら、日本の社会を感じながら書きましたね。普段は歌詞を深夜に考えぬくタイプで、割と自分の辛い過去を抉って書いた曲を歌うことが多いです。

ーー今回の制作過程が普段と違う形になったのは意図的だったのでしょうか？　それとも自然に？

YU：意図的ですね。僕の曲って落ちる系の曲が多いんですけど、なんか違う、気分の上がるような曲を作りたかったので、「じゃあ一回、（曲の作り方も）変えてみよう」と思いました。普段は大体曲をもらって聴いて、その時に書きたいものと曲調を照らし合わせながら頭の中で想像して、それから殴り書きしてまとめるようなプロセスになります。

ーーミュージシャンの活動と俳優の活動が影響を与え合っていたり、相互的に作用していると感じることはありますか？

YU：それはめちゃくちゃありますね。たとえば僕が書いた曲は自分を突き詰めて書いた歌詞なので、そういう突き詰まる“感情”とかは演技をする上では得意分野だと思います。そういう相乗効果はありますね。より、感情表現が豊かになる。

ーー改めて『何曜日に生まれたの』は主人公の10年前の恋が物語のキーポイントになっていますが、YUさん自身は10年前を振り返って何を思い出しますか？

YU：甘酸っぱい想いはありましたよ（笑）。なんか好き嫌いってフィーリングでわかるじゃないですか。相手の気持ちがこっちに向いているのか向いていないのかって。ちょうど僕が台湾に時期だったので、想い寄せる人や、同級生たちとも、もう一生会えない気がして。台湾で歌やお芝居をやっていくという気持ちを持っていたから。焦りと期待と不安でいっぱいな時期でした。

ーー今の自分とその頃の自分を比べて、何か変化はありましたか？

YU：不満を持たなくなりましたね。昔って割と周りのせいにしていたなって。今は「結局のところは自分が悪いんですよ」ってメンタルですね。だから不満とかはあまりなくなったし、怒らなくなりました。精神的な成長はありましたね。

ーーその成長は台湾で過ごした時間からも影響を受けたのでしょうか？

YU：そうですね。やはり大学以外の場だと会う人がみんな年上の方で、お世話になった人に出会ったり、お仕事する中で出会った人にいろんな話をしたり消化して強くなった部分はあります。

ーー今後、俳優として挑戦したいジャンルや演じてみたい役柄はありますか？

YU：ずっとやりたいのがアクションですね。憧れちゃいます。一番最初に死ぬチンピラ役とかでいいんですよ（笑）。アクションで言うと、やはり『るろうに剣心』とか『キングダム』のような大作に出てみたいです。漫画も好きなので、実写化作品には出たいです。

ーー漫画がお好きなんですね、お気に入りの作品タイトルを聞いてもいいですか？

YU：バレエの漫画で、『昴』という作品がめちゃくちゃ面白いのでおすすめです。僕、ちょっと悲しい系のストーリーが大好きで、『昴』はそこが気に入っています。あと、ずっと『サラリーマン金太郎』が好きなんですよね（笑）。なんか面白いんですよ。最近も3回くらい読んで「やっぱ面白いな」ってなりました。流行りの漫画も大体読んでいます。

ーー漫画原作の実写化作品も多い中で、企画があったら出演したいと思いながら読むこともありますか？

YU：ありますね。いま『トリリオンゲーム』（TBS系）が放送されているじゃないですか（※取材時）。好きな作品だったので、「うわ～！」って思う部分はありました。漫画原作の作品には出たいです。しかも自分が好きな作品に出れたらめちゃくちゃ嬉しいですよね。

ーー最後に、今年いっぱいなど直近で頑張りたいことを教えてください。

YU：音楽の面ではライブですね。ライブができるくらいまでの曲数を作りたいです。役者としては、アクションへの挑戦もありますが、意外と異性との恋愛ものをやっていないので、そういう作品には出てみたいです。

■放送情報
『何曜日に生まれたの』
ABCテレビ・テレビ朝日系にて、毎週日曜22:00～放送
TVer、ABEMAにて、地上波放送終了後見逃し配信
TELASA、U-NEXTにて、第1話～最新話まで見放題配信
出演：飯豊まりえ、溝端淳平、井上祐貴、YU、若月佑美、片山友希、濱正悟、早見あかり、シシド・カフカ、陣内孝則
脚本：野島伸司
企画・プロデュース：清水一幸
プロデューサー：南雄大、松原浩、柴田裕基、難波利昭
制作プロデューサー：奈良井正巳
演出：大塚恭司、岩本仁志、松原浩
音楽：福廣秀一朗
主題歌：The Hollies「Bus Stop」
制作著作：ABCテレビ
©︎ABCテレビ
公式サイト：https://www.asahi.co.jp/nanuma/
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10月1日（日）