『ウソ婚』は八重の成長物語? ついに長濱ねると本音で向き合った菊池風磨

『ウソ婚』本音で八重と向き合った匠

 吉田健斗(黒羽麻璃央)いわく、死んだあとには、ある”箱”を見せられるらしい。その箱には、生きている間にビビっちゃったり、諦めちゃったり、なまけちゃったりで、つかもうともしなかった、本当は手に入れられたはずのものが入っているーー。あなたはこの話を聞いた時、いちばんに何を思い浮かべただろうか。ちなみに筆者は、あまりの多さに考えるのを諦めてしまった。これ以上、箱を大きくしないように頑張りたいと思っている。

 その点、夏目匠(菊池風磨)は、手に入れたいものが明確で羨ましい。彼はこの話を聞いた時、真っ先に千堂八重(長濱ねる)の存在を思い浮かべたはずだ。そして、今もなお彼女のことしか考えていない。きっと匠は、流れ星を見たら、“八重とずっと一緒にいられますように”とお願いするんだと思う。

 ただ、『ウソ婚』(カンテレ・フジテレビ系)の前半は、八重の本音があまり見えてこなかった。そのため、「もしかすると、意識しているのは匠だけなのでは?」「なんなら、健斗のことが好きなのでは?」と思っていた人もいるのではないだろうか。

 しかし、後半に近づくにつれ、八重が明らかな好意を見せるようになってきた。匠とのツーショットを待ち受けにしたり、クリスマスイブの約束を心待ちにしたり……。明らかに両思いであることが分かってからは、「このまま2人は本物の夫婦になるのだろうな」と、勝手に安心していた。それなのに、匠の元カノ・紗智(中村ゆりか)の登場で、歯車が狂い始めるなんて。

「匠くんと別れてくれたら、うれしい。ちょっと思っちゃったの。千堂さんさえいなかったら、って」

 こんなことを言われて、罪悪感を抱かない人はいない。しかし、どう考えても八重は悪くないのだ。ただ、匠が紗智を好きになれなかっただけのこと。そもそも、紗智も匠のことが好きなんだったら、もっとはやくアクションを起こすべきだったと思う。もちろん、再アタックするまでに、自分を高める努力をしていたのは分かるが、幸せな2人の生活を壊してまで、匠と結ばれたとして。それで、紗智は幸せになれるのだろうか。

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