『ウソ婚』は八重の成長物語? ついに長濱ねると本音で向き合った菊池風磨

『ウソ婚』本音で八重と向き合った匠

 『タイタニック』の救命ボートの話にたとえると、紗智は他人からボートを奪ってでも、自分を優先させるスタンスだ。一方の八重は、すでにボートに乗って進んでいるにもかかわらず、わざわざ引き返して他人にボートを渡そうとしているようなもの。けっして褒められたものではないが、少しは紗智のような傲慢さを持ってもいいと思う。

 もちろん、どんな時も自分の幸せを優先しろとは言わない。まわりの人が幸せになることが、結果的に八重の幸せにつながっているのなら、それでいい。ただ、本当に欲しいものを前にした時、大事なものを失いかけた時くらいは、わがままになってもいいのではないだろうか。今の八重は、みんなには優しいのかもしれないけど、いちばん大事な人(=匠)には冷たいような気がしてしまう。

「俺は、八重と結婚したい」

 ついに、匠が本音で八重と向き合った第10話。しかし、八重は紗智のことを考えて、プロポーズを断ってしまう。

 もしかすると、『ウソ婚』は八重の成長物語なのだろうか。小さい頃から、お姫様になりたかった八重。しかし、お姫様はまわりに「どうぞ、どうぞ」と道を譲ってばかりでは、幸せにはなれない。時には強引に、幸せをつかみ取りにいかなければならないこともある。

 すべてを理解して、包み込んでくれていた王子様のお城から飛び出し、ひとりで戦うことができた時、八重は本当の意味で“お姫様”になれるのかもしれない。

■放送情報
『ウソ婚』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜23:00〜放送
出演:菊池風磨(Sexy Zone)、長濱ねる、渡辺翔太(Snow Man)、トリンドル玲奈、織田梨沙、黒羽麻璃央、鶴見辰吾ほか
原作:時名きうい『ウソ婚』(講談社『姉フレンド』連載)
脚本:蛭田直美
音楽:岩本裕司
主題歌:Sexy Zone「本音と建前」(Top J Records)/作詞・作編曲:椎名林檎
監督:山口健人、木村真人
プロデューサー:岡光寛子(カンテレ)、島本講太(ジェイ・ストーム)、芳川茜(共同テレビ)
制作協力:共同テレビ
制作:カンテレ、ジェイ・ストーム
©︎カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/usokon/
公式X(旧Twitter):@kadora_11j
公式Instagram:@kadora_11j

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