『らんまん』公式SNSには優しさが詰まっている 紆余曲折の本編から“一息つける”存在に

『らんまん』公式SNSに詰まっている優しさ

 気がつけば、あと1カ月もせずに最終回を迎える連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合)。万太郎(神木隆之介)が東京に来た頃は相棒の竹雄(志尊淳)が唯一と言っていいくらいの頼れる相手だったが、寿恵子(浜辺美波)や倉木(大東駿介)をはじめとする長屋の人たち、そして東京大学植物学教室の面々など、万太郎を支え、協力してくれる人たちはたくさん増えた。時が経ち、人との繋がりが増えていく中で、本編とは別のおもしろさを提供してくれているものがある。そう、『らんまん』の公式SNSだ。

 「#朝ドラらんまん」のハッシュタグが付けられたポストは主に、その日の放送回のハイライトを場面写真とともに紹介している。最近でいえば、噺家の牛久(住田隆)が真打に昇進し、長らく住んだ十徳長屋を出ていくことに。住人を含めた人たちを集めて落語を披露する様子は、倉木や福治(池田鉄洋)がいた頃の長屋のことを思い出させ、「(長屋で)ゴロ寝一つしてる間に、ついこの間来た若い衆が嫁様もらってすっかりご立派になられてね。かわいい子供らまでじゃんと増えて」と語られる噺は、万太郎たちと過ごしてきた温かい時間の長さが感じられた。1枚の写真を見るだけで、その場面をまた思い浮かべてグッときてしまう人も多いことだろう。そんな投稿が『らんまん』公式SNSにはたくさんあるのだ。

 「#らんまん観察日記」のハッシュタグがついているのは、撮影のオフショットであることが多い。その中で約半年かけて時の流れを描く朝ドラならではと言えるのが、成長したキャストの紹介だ。万太郎が植物採集中に土佐の山で14歳の虎鉄少年に出会った。その少年は10年後、立派な青年になり、万太郎の手紙を頼みの綱にして、彼の助手になるため上京。万太郎と虎鉄は出会って以来、師弟同然の関係だったが見事に行動まで似てしまっていることにちょっと笑ってしまった。成長にあわせて虎鉄を演じる俳優は寺田心から濱田龍臣へバトンタッチされた。

 最近のSNSでは、幼少期に撮った写真と同じポーズをして今の姿を撮り、成長した様子を見せる投稿がたくさんあるのだが、『らんまん』公式SNSではその流行りに乗ったような形で、寺田と神木のオフショットを引用して濱田と神木のオフショットを投稿。虎鉄の成長がよくわかるようにしている。こうしてみると寺田と濱田が似ているような気がしてくるから不思議である。

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