『らんまん』万太郎が田邊教授にたむける“植物学の未来” 涙なしでは聞けない聡子の言葉
聡子は田邊の遺言……蔵書を万太郎に譲ることを伝えにきた。自分の植物学は終わった、この先は槙野にそれを託す。地位や名誉に囚われて、大切なものを見失っていた田邊が正気に戻った時、そこに残っていたのが純粋な万太郎への尊敬だったこともいじらしい。結局のところ、お互いに認め合って、尊敬しあっていたかけがえのない存在だったのだ。そんな田邊の蔵書を受け取ることは、すなわち彼から植物学の未来を託されることを意味する。そして万太郎は、託された未来を作るために全国を回ることを決意する。植物学の未来を守る、その誓いを田邊にたむけるように。受け取った蔵書には、たくさんの書き込みや押し葉が残っていた。この細かな美術の演出が、「ああ、田邊教授は本当に植物学を愛していたのだな」と実感させ、また涙を誘うのであった。
「今日は、槙野さまに言づてがあって参りました」
聡子が持参した包みを万太郎が解くと、そこには一冊の洋書が。
『槙野に会うことがあったら、私の蔵書は槙野に譲る。私の植物学は終わった――この先は、Mr.Makinoに…』#朝ドラらんまん#神木隆之介 #浜辺美波 #中田青渚 #要潤 pic.twitter.com/jVugVL6zwi
— 連続テレビ小説「らんまん」 (@asadora_nhk) August 21, 2023
聡子は初めて、田邊との実子を出産予定である。母親として先輩の寿恵子(浜辺美波)に出産の辛さを聞いてみたり、産まれたら雷おこしを食べてみたいと2人で浅草に行くのを約束したりする様子が良かった。残された聡子が決して孤独ではないこと、寿恵子というお友達がずっと彼女のためにいることを教えてくれる。
その寿恵子もまた、財政難に悩んでいた。ついに自分の魂とも言える、『南総里見八犬伝』さえ質屋に預けてしまった。もう後のない彼女だったが、万太郎の決意に「わかりました」とまた二つ返事をして、自分はある決意を固める。そんな彼女が久々にみえ(宮澤エマ)を訪れた理由とは、いったい。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK