『夏花』はこの夏イッキ見するにふさわしいラブストーリー 様々な“花”が示す意味にも注目

『夏花』はイッキ見するべきラブストーリー

登場する植物にも理由が……?

 『夏花』というタイトルの通り、様々な花が登場するのも本作の見どころ。シアオの家に飾ってある絵に描いてあるのはガーベラであり、作中にも登場する通り「困難を恐れずに、思い通りに自分の人生を生きる」という花言葉がある。そして、その絵の作品名は「一途な恋」。2人それぞれの性格と2人の運命的な恋を一度に表しており、物語の大きな軸となる花だ。また、印象的に咲き誇るシーンでは、シアオにとって最後の女性だというランへの想いを伝える一つの手段でもあった。

 さらに、シアオの家でランが誤ってサボテンに触れてしまうシーンがあるが、サボテンには「枯れない愛」「燃える心」という意味がある。一見、棘が危険な恋を表しているようにも思えるが、まだお互いの想いを確かめ合えていない段階でのこのサボテンの演出は、2人の恋が燃えて消えないものになることを連想させる。

 第8話では、夜が明けるまでに月下美人の花が咲けば付き合おうとランが積極的な言葉を放つ。花言葉には「儚い恋」という意味もあり、一晩で散ってしまう月下美人にぴったり。それほどの奇跡にかけたランの想いの強さと、どこか咲くことを願っているようなシアオが印象的なシーンだ。さらに、自分が死を迎えるかもしれないという恐怖を抱えるランと過去に大きな恋愛をしたシアオの恋も、お互いの状況から儚いものになってしまうようにも取れる。

 そしてランの父親やランの病気について明らかになるとき、ネモフィラが登場する。花言葉には「あなたを許す」という意味も含まれており、物語が第二章に進んでいく一つの区切りであるようにも感じられる。このように沢山の植物が物語を彩り、植物に囲まれた自然豊かなパワーを感じ取れるため、癒しを求める人にもおすすめだ。

都会から離れた、南国の雰囲気も魅力

 物語の舞台は海辺の村・小洲村。船が並び、海も青々としていて、とても美しい街並みだ。最近は日本では現在放送中の『ばらかもん』(フジテレビ系)や『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系)、韓国ドラマでは『海街チャチャチャ』『田舎街ダイアリーズ』など、都会から離れた田舎を舞台にした物語が増えてきているが、そういった作品とも並ぶようなシチュエーションも魅力の一つだと言える。途中にはシアオの故郷を訪れた際にチャン族も登場するなど、広い中国に存在する多様な地域も垣間見ることができる。

 また、後半からはランの母親がメインで描かれるエピソードもあり、様々な側面から彼女たちを取り巻く状況が理解できる構造にもなっている。

 爽やかさを感じるシーンや官能的な雰囲気を纏うシーンといった恋愛の様々な面が映し出され、富裕層の大きな豪邸まで堪能できてしまう本作。恋愛ドラマ好きの人なら誰もが楽しむことができるはずだ。

■リリース情報
『夏花』
U-NEXTにて独占先行配信中

『夏花』DVD-SET1
発売中
金額:16,500円(税込)
封入特典:リーフレット(4P)
仕様:アウターケース付き
GNBF-5812/本編DVD6枚/第1話〜第12話収録/本編約456分

『夏花』DVD-SET2
9月6日(水)発売
金額:16,500円(税込)
特典映像:メイキングほか
封入特典:リーフレット(4P)
仕様:アウターケース付き
GNBF-5813/本編DVD6枚/第13話〜第24話収録/本編約493分+特典映像「メイキング集」約41分

レンタルDVD
Vol.1〜6:レンタル中
Vol.7〜12:9月6日(水)よりレンタル開始
16:9 HD サイズ/カラー/音声:中国語 2ch ステレオ ドルビーデジタル/字幕:日本語

出演:ジェリー・イェン、シュー・ルオハン、マー・スーチャオ
監督:チェン・ジョウフェイ、ジャオ・シアオレイ
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
©Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited

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