『夏花』はこの夏イッキ見するにふさわしいラブストーリー 様々な“花”が示す意味にも注目

『夏花』はイッキ見するべきラブストーリー

 この暑い夏、部屋にこもってイッキ見するにふさわしい、中国ドラマ『夏花』がU-NEXTで配信、DVDで発売開始された。次から次へと観たくなってしまう、官能的な本格派ラブストーリーだ。

 美大生のホー・ラン(シュー・ルオハン)は、ある日訪ねた美容室でシアオ・ハン(ジェリー・イェン)に髪を洗ってもらったことで、心を奪われてしまう。彼は海辺の村にある理髪店にいると知ったランは、彼を訪ねることに。そしてシアオの無愛想で不思議な、大人の魅力に惹かれたランは、家を抜け出して何度もシアオを訪ね、次第にお互いに気になる存在へと気持ちが変化していく。

 シアオ・ハンを演じるジェリー・イェンは、中国版『花より男子』で主演を務めた大人気俳優。日本でもファンミーティングを行うなど、圧倒的な魅力を兼ね備える彼は、本作ではまるで『シザーハンズ』を連想させるような、はさみの扱いが上手い園芸師に扮する。

 一方、シアオを追いかけるラン役のシュー・ルオハンは、ジャッキー・チェンとヤン・ヤンが共演した『プロジェクトV』にも出演した若手の実力派。透明感と若さ溢れるお嬢様役を違和感なく演じ切っている。

この作品が好きなら『夏花』を絶対好きになる!

 物語のメインは“年の差”ロマンス。ランが年上のシアオに物怖じせず、積極的にアピールする姿は、大泉洋と小松菜々が共演した映画『恋は雨上がりのように』を彷彿とさせる。怪我で陸上部を辞めたサバサバ系女子高生のあきら(小松菜々)は、バイト先のファミレス店長・近藤(大泉洋)に恋をする。シアオのように肉体派でも、ランのようにかわいいアピールをして近づこうとするわけでもない。ぶっきらぼうだけど、強く好意を伝えるという面ではランとあきらは似ており、あきらと店長が秘める孤独は、ランとシアオにも通ずるものがある。

 また、同じく年下の女性が年上男性に興味持つ物語として、筆者は韓国ドラマ『私の解放日誌』のミジョン(キム・ジウォン)とク(ソン・ソック)の関係性も思い出した。ミジョンが気になって何度も話をしようとしたり、結果的に支え合うような関係になったりと、2人の近づき方が似ている。ロマンスがテーマの物語ではないが、クも無口で謎めいた雰囲気を持っている。

 そして同じく韓国ドラマの『トッケビ』ファンも楽しめる内容だろう。ファンタジー要素があるわけではないが、年の差があるが徐々に距離を縮めていく関係性や、ウンタク(キム・ゴウン)が積極的にトッケビ(コン・ユ)に「私はトッケビの花嫁だから」と明るく話すシーンや、そばの花という植物が印象的に使われているシーンなど、ランとシアオの関係性や作品自体の演出がよく似ている。

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