実写版『ONE PIECE』の気になるクオリティ ルフィ、ゾロら“麦わらの一味”の再現度を検証
8月31日よりNetflixにて独占配信される実写版『ONE PIECE』。もはや説明は不要だろう。日本が誇るあの大人気マンガがドラマ化されるのだ。YouTube上にて公式の予告編が公開されると瞬く間に視聴数を伸ばし、本作がいかに世界中から注目されているのかをリアルな数字で示してみせているところ。
そんな作品なわけなのだけど、誰もが気にしているのはクオリティであり、その端緒となるのはやはり人気キャラクターたちがどのように再現されているのかだろう。ここでは主人公・ルフィとその仲間である麦わらの一味を演じる俳優陣の“再現度”にフォーカスしてみたい。
平成生まれの筆者は、小学生のときに『ONE PIECE』の連載がはじまったのを覚えている。この作品とともに生き、いまや世界中にファンを持つビッグタイトルに育てられてきた。ルフィたち麦わらの一味の背中を追いかけ、いつからか彼ら彼女らに背中を押されるようにもなった。つまり、さまざまなメディアミックス展開がなされてきた『ONE PIECE』を非常にリスペクトしている人間であることをまず述べておきたい。
さて、全8話からなる本作で描かれるのは、すでに100巻を超えている原作のほんの一部だけのようだ。発表されている登場人物たちから推察する限りに、おそらく12巻あたりまでだろう。ただし、実写化に際してのストーリーラインの改変は当然ながらあるはず。原作の12巻までには登場シーンのないルフィの祖父であるガープが登場する、というのがその証だ。登場が確定している麦わらの一味は、ルフィ、ゾロ、ナミ、ウソップ、サンジの5人である。
正直なところ、作品の完成度についてはもちろんのこと、各キャラクターの再現度に関しても言及するのは気が早すぎるかもしれない。しかし、ここではあえてそれをやってみたいのだ。
ざっと各キャラクターの役を務める俳優の名を記すと、モンキー・D・ルフィをイニャキ・ゴドイ、ロロノア・ゾロを新田真剣佑、ナミをエミリー・ラッド、ウソップをジェイコブ・ロメロ、サンジをタズ・スカイラーが演じるということになっている。「〜ということになっている」なんて書き方をするとひどく他人事のように思われるかもしれないが、特にここ日本においては新田真剣佑の存在以外はほとんど知られていないだろうからだ。少なくとも、筆者はあまりよく知らない。
というより、演じる誰もが世界的にまだ新進気鋭の存在であるらしい。これが意味するのは何か。それはとどのつまり、俳優の力が未知数だということである。言い換えるならば、俳優のカラーやパブリックイメージというものが世界的にはまだ共有されていないということだ。
人気のキャラクターとは、ファンの一人ひとりの心において異なる表情を持っている。異なる声を持っている。各キャラクターに対するイメージと俳優に対するイメージが観客の中で乖離してしまっていては、そもそもの視聴/鑑賞に至らないことにも繋がりかねない。この時点で彼ら彼女らの配役はなんだか期待が持てるのだ。