寺田心、『らんまん』でネクストブレイク必至? 『おちょやん』『エール』弟子たちの飛躍
主人公がある程度の地位を確立したところで、かつての自分を思い出させるような存在が登場するパターンが朝ドラでは高頻度で見られる。『おかえりモネ』では、伊東蒼演じるあかりがその役割を担った。東京で気象予報士としての力をつけてから地元に戻り、気仙沼のコミュニティFMで気象コーナーを担当することになったヒロインの百音(清原果耶)。そんな彼女に「なぜ気象予報士になろうと思ったのか」と問いをぶつけたのが、あかりだ。百音はかつてのちに恋人となる医者の菅波(坂口健太郎)に同じ質問を投げかけた。問う立場から問われる立場になったことを百音に自覚させるとともに、「人の役に立ちたかったから」という回答に対し、あかりに「きれいごとっぽい」と言わせることで百音に今すべきことに向き合わせたのである。なぜか目線を奪われる独特の存在感を放つ伊東は『どうする家康』にも出演。織田信長(岡田准一)の妹であるお市(北川景子)に仕える侍女として、控えめながらも命をかけて己にできることを全うする阿月の強さを体現した。
『おかえりモネ』伊東蒼、目が離せない“異質感” 物語を動かす重要な役どころに?
連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合)第21週「胸に秘めた思い」で、百音(清原果耶)の元を一人の女の子が訪れる。予告編によ…
『おちょやん』では、ヒロインの千代(杉咲花)の幼少期を演じた毎田暖乃が終盤で姪の春子役で再度登場。春子は千代の父・テルヲ(トータス松本)と継母である栗子(宮澤エマ)の孫であり、戦争で両親を亡くしていた。そんな春子を千代は養子にとり、娘として育てることとなる。そこには自身も早くに母親を亡くし、いつまでたってもまともに働かない父親に苦労をかけられた千代の春子に対する同情もあっただろう。しかし、千代の中で次第に春子に対する愛情が生まれ、どこか寂しそうな彼女に“喜劇”を見せたいという思いが生まれる。それが夫である一平(成田凌)の裏切りが原因で舞台から離れていた千代の女優復帰に繋がったのだ。同作で大人顔負けの名演技を見せた毎田はその後も、天才子役として『妻、小学生になる。』(TBS系)や『あなたのブツが、ここに』(NHK総合)でも活躍した。
毎田や、そして『らんまん』の主演を務める神木と同様に、かつて天才子役として一躍注目を集めた寺田。現在15歳となった彼がどんな演技を見せてくれるのか。万太郎と虎鉄の関係も含めて、今後の展開が楽しみである。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK