実写版『ONE PIECE』の気になるクオリティ ルフィ、ゾロら“麦わらの一味”の再現度を検証

『ONE PIECE』麦わらの一味の再現度

 ではそれぞれの再現度に関してはどうか。描かれるのが“大海賊時代”という非常にフィクショナルな世界のため、どうしてもコスチュームプレイ的な側面は否めない。が、「麦わらの一味がこの世の海のどこかにいるならばこんな感じなのかもしれない」という絶妙なラインにも立っている。

 つまり、“リアリティ”があるのだ。これには良し悪しもあるだろう。おそらくマンガ同様、“ひとつなぎの大秘宝”を巡る奇想天外な海洋冒険ロマンが展開していくはず。しかしだからといってファンタジーに傾倒するわけにはいかない。少なくともこの5人は“人間”である。その一方で、リアルに徹するわけにもいかない。この者たちは人間離れした力で大海原を航海していく海賊なのだ。

 大人気のキャラクターたちを再現しているのが、生身の俳優によるものなのだという前提に私たちは立たねばならない。いや、そもそも再現という言い方は間違っているかもしれない。作品が、物語が、あの世界が生まれる以上、そこに住まう人々は生きている。俳優たちはそれぞれのキャラクターの人生を生きるのだ。

 見た目が似ているかどうかは問題ではない。重要なのは、内面をいかに表現していくのかということ。内面とは、そう、キャラクター(=性格)のことだ。イニャキ・ゴドイによるルフィの奔放さ、新田真剣佑が体現するゾロの泰然とした佇まいーーこれは予告編から十分に伝わってくる。

 さらに、サンジが料理人であるように、麦わらの一味は誰もが何かのスペシャリストだ。そのあたりをどう表現してみせるのかが、キャラクターの再現度、いや、いかに役を生きるのかということに繋がってくるだろう。この予告編は私たちの期待感を十分に煽るものになっている。

■配信情報
Netflixシリーズ『ONE PIECE』
Netflixにて、8月31日(木)全世界独占配信
原作&エグゼクティブ・プロデューサー:尾田栄一郎
脚本&ショーランナー&エグゼクティブ・プロデューサー:マット・オーウェンズ、スティーブン・マエダ
キャスト:イニャキ・ゴドイ(モンキー・D・ルフィ)、新田真剣佑(ロロノア・ゾロ)、エミリー・ラッド(ナミ)、ジェイコブ・ロメロ(ウソップ)、タズ・スカイラー(サンジ)、ヴィンセント・リーガン(ガープ)、モーガン・デイヴィス(コビー)、 ジェフ・ウォード(バギー)、マッキンリー・ベルチャー三世(アーロン)、セレステ・ルーツ(カヤ)、エイダン・スコット(ヘルメッポ)、ラングレー・カークウッド(モーガン)、ピーター・ガジオット(シャンクス)、 マイケル・ドーマン(ゴールド・ロジャー)、イリア・アイソレリス・ポーリーノ(アルビダ)、スティーヴン・ウォード(ミホーク)、アレクサンダー・マニアティス(クラハドール)、クレイグ・フェアブラス(ゼフ)、チオマ・ウメアラ(ノジコ)
©尾田栄一郎/集英社

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