『らんまん』研究のために“暴走”する神木隆之介 『まんぷく』長谷川博己との共通点も
NHK連続テレビ小説『らんまん』の主人公・万太郎(神木隆之介)は、小学校中退で留学経験もないことから、植物学者として世に認められる方法が見つからず壁にぶつかる。悩む万太郎は博物館の里中(いとうせいこう)に相談し、「本を出して知見を認めさせればいい」というアドバイスをされる。自分の本を発行することにした万太郎は、妻・寿恵子(浜辺美波)の協力を得て、住まいの十徳長屋で『日本植物志図譜』を完成させる。
万太郎の「植物学者として世に認められたい」という願いは、「自分で発見した新種の植物の名付け親になりたい」という“欲求”が源になっており、言い換えれば「自分の功績を人に奪われたくない」という学者ならではのエゴも大きく作用していると言える。
これまで万太郎は、まだ知られていない植物を世に知らしめ、日本の植物学を発展させ、そして植物の名付け親になるために、寿恵子と結婚する前から、睡眠時間を削って研究したり、植物学雑誌を作るために奔走するなど、数々の“暴走”をしてきた。それは、“何者でもない自分”ではなく、寿恵子にプロポーズするのに相応しい人間になりたいという想いからでもあったが、結婚してからも、寿恵子と話す時間も寝る間も惜しんで研究に没頭し続けていたため、万太郎の体を心配する寿恵子をやきもきさせてきた。
寿恵子は、万太郎から『日本植物志図譜』を出したいと聞いた際、万太郎が大畑(奥田瑛二)の印刷所に通い詰める生活になると知り、それでは彼が体を壊しかねないと考えた。そこで、万太郎の実家の峰屋の当主である姉・綾(佐久間由衣)から預かった大金1000円を使って印刷機を購入し、自宅で印刷作業をすることを提案。十徳長屋の住民たちも手伝って大リフォームが行われ、本を作れる環境が整い、無事に『日本植物志図譜』は完成した。
思い立ったら暴走しがちな万太郎を、しっかり支えて導く寿恵子。天才である万太郎と一緒に“冒険”を楽しみたいと思っている寿恵子と、そんな妻を大好きな万太郎。東京大学での研究に夢中になって、うっかり寿恵子に一人で年を越させることになりそうだった時は、滑り込みで土下座をする万太郎がおかしく、暴走しつつも寿恵子には頭が上がらない様子がほほ笑ましかった。
『まんぷく』本当の“ヒロイン”は長谷川博己? 『シン・ゴジラ』矢口を彷彿とさせる名スピーチ
折り返し地点を過ぎ、最終回まで残り約2カ月となった朝ドラ『まんぷく』(NHK総合)。長谷川博己演じる立花萬平は、常に挑戦し、試練…
暴走する天才の夫といえば、2018年度後期のNHK朝ドラ『まんぷく』の萬平(長谷川博己)を思い出す。ヒロイン・福子(安藤サクラ)と結婚した萬平は、発明家であり技術者で、いろいろな発想を形にする才能を持っている。製塩業を始めた彼は、ほかに新しい事業を立ち上げようと考え、福子の産後の肥立ちが良くなかったことや、戦後、栄養失調で苦しむ人たちがいるのを見て、栄養食品を開発することを決心する。そして、その後、簡単に食べることができて栄養が取れる即席ラーメンの開発に取り組んだ萬平。