『水星の魔女』スレッタは“肯定”し“祝福”する 最終回に込められた現代人へのメッセージ
クワイエット・ゼロの消失後に宇宙空間を舞うスレッタに対して、ミオリネが無言で話しかけているシーンは、第1話のミオリネが地球へと1人で向かっていたシーンの対比になっていたのが興味深い。本編終了後に配信された「『機動戦士ガンダム 水星の魔女』最終回ネタバレ解禁!感想会SP」では、ミオリネ役のLynnが無音の最中もミオリネが何を言っているのかを想像しながらアフレコしていたことを明かしており、「さっさと返事しなさいよ。馬鹿」という言葉はミオリネの目一杯の感情が伝わってきた。
3年後には、全てを自分の責任として引き受けたシャディクやGUND技術によって生還したペトラ、音声で会話するエリクトが映し出され、一連の出来事は解決に向かいつつあることが示唆された。しかし、地球では未だに軋轢があることが描写されており、ミオリネはその解決に向けて奮闘していた。そこでのミオリネの言葉が印象に残った。
「人の数だけ正しいがあるもの。いつか必ずどこかで間違うのよ。それでもできることをするの、この先も」
ミオリネもスレッタもプロスペラも間違いを犯してきた。でも、それは人間である以上当然のことだ。間違うときは誰にでも訪れる。大事なのはその先どうしていくのかだ。過ちを許せる寛大な心のゆとりが欠落している現代人にとっても大切なメッセージを伝えてくれているように感じた。
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直前まで伏せられていた最終話のタイトルは「目一杯の祝福を君に」。Season1のOPテーマだったYOASOBIの「祝福」の一節だ。まだまだ解決しなければいけない問題は山積みかもしれないが、スレッタやミオリネたちにとっては幸せなエンディングだったのではないだろうか。“祝福”がこの先も続きますように。
■放送情報
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』
各種配信サイトにて順次配信
企画・制作:サンライズ
原作:矢立肇、富野由悠季
監督:小林寛
出演:市ノ瀬加那(スレッタ・マーキュリー)、Lynn(ミオリネ・レンブラン)、阿座上洋平(グエル・ジェターク)、 花江夏樹(エラン・ケレス)、古川慎(シャディク・ゼネリ)
シリーズ構成・脚本:大河内一楼
キャラクターデザイン原案:モグモ
メインキャラクターデザイン:田頭真理恵、
キャラクターデザイン:戸井田珠里、高谷浩利
メカニカルデザイン:JNTHED、海老川兼武、稲田航、形部一平、寺岡賢司、柳瀬敬之
音楽:大間々昂
©創通・サンライズ・MBS
公式サイト:g-witch.net
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