『らんまん』志尊淳が前半の立役者に 万太郎との日々が竹雄にもたらした変化
東京から足を運んだ大畑(奥田瑛二)と妻のイチ(鶴田真由)、寿恵子の母まつ(牧瀬里穂)と文太(池内万作)は峰屋の門構えに目を見張った。その夜、まつがもらした言葉は寿恵子の未来を暗示していた。万太郎を「よっぽどのお方」と評する理由を、まつは「なくすということをお分かりでない」と端的に示す。「最初から持たざる人なら諦めもつくけど」と言うその声はため息まじりで、娘が心配でならないのだ。持てる人だった万太郎が持たざる人になる過程は、様々なものをなくす過程である。元柳橋の芸者で、細々と商いを続けて今に至るまつは、万太郎と一緒になる意味がわかりすぎるくらいわかってしまうのだ。たとえ寿恵子がそれでいいと言っても、言わずにいられないのが親心である。
物語全体のちょうど中間に差しかかった第13週は、主人公を支える主要人物に変化があった。守ってくれた人々から自立して、万太郎と寿恵子は歩んでいくことになる。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK