『水星の魔女』は“意志”の所在を徹底して描く 決闘シーンは初代ガンダムのオマージュも
そんなスレッタとグエルの決闘もオマージュたっぷりに描かれていた。グエルに呼び出されたスレッタはミオリネに会うために決闘をすることに。決闘はMSではなくフェンシングで行われ、ほぼ互角の戦いを繰り広げる中でスレッタがグエルの一撃を交わして勝利。あまりにも唐突な決闘だったが、グエルが決闘の後に「バカだな、俺は」と苦笑いをしているところを見ると、スレッタがミオリネのもとを訪れることは事前にわかっていて、ホルダーとミオリネの花婿の立場を返すことは決めていたのだろう。しかしなぜフェンシングでの決闘だったのか。その点についてはガンダムシリーズということもあって、制作側の遊び心と言えそうだ。というのも、初代の『機動戦士ガンダム』では、アムロとシャアがフェンシングで対決をしている描写があった。それもスレッタの最後の決めポーズはラストシューティングとも酷似しているのも意図的だ。ガンダムファンならばきっとクスッとした場面だろう。
『水星の魔女』スレッタが向かう先は『エヴァンゲリオン』の碇シンジなのか?
『新世紀エヴァンゲリオン』の放送が始まったとき、頭に浮かんだのは主人公の碇シンジが『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイのような救世…
オーバーライドを回避するためにキャリバーンに乗ってスコア5をクリアしたスレッタは、プロスペラとエアリアルが待つクワイエット・ゼロへと向かう。データストームに苦しみながらも待ち受けるガンドノードをあっさりと破壊してしまうスレッタのパイロットとしての資質には驚かされた。ガンドノードとの戦闘はガンダムらしい迫力のある戦闘が展開されたが、スレッタの息遣いを適宜カットインすることで臨場感のある戦闘シーンになっていたように思う。エリクトと対峙することに成功したスレッタ。お互いこれ以上の争いは望んでいないはず。とはいえ、説得で解決できるような相手でもない。この物語はどう着地するのか、今後の展開も見ものだ。
■放送情報
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』
Season2:MBS/TBS系全国28局ネットにて、毎週日曜17:00〜放送
企画・制作:サンライズ
原作:矢立肇、富野由悠季
監督:小林寛
出演:市ノ瀬加那(スレッタ・マーキュリー)、Lynn(ミオリネ・レンブラン)、阿座上洋平(グエル・ジェターク)、 花江夏樹(エラン・ケレス)、古川慎(シャディク・ゼネリ)
シリーズ構成・脚本:大河内一楼
キャラクターデザイン原案:モグモ
メインキャラクターデザイン:田頭真理恵、
キャラクターデザイン:戸井田珠里、高谷浩利
メカニカルデザイン:JNTHED、海老川兼武、稲田航、形部一平、寺岡賢司、柳瀬敬之
音楽:大間々昂
©創通・サンライズ・MBS
公式サイト:g-witch.net
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