『僕の心のヤバイやつ』監督が語る、『からかい上手の高木さん』と似て非なる演出の意図

『僕ヤバ』と『高木さん』演出を監督が語る

赤城監督が影響を受けた本田宗一郎の言葉

ーーどの作品においても赤城監督の演出には強いこだわりが感じられます。監督として、影響を受けた方や尊敬している方はいるのですか?

赤城:子供のころに、名前を気にせずにすごいなと思っていた作品は、高畑勲さんとか出崎統さんのものでしたね。どちらかと言えば僕は『宇宙戦艦ヤマト』を観ずに、『アルプスの少女ハイジ』を観てました(笑)。仕事をするようになってからは、大地丙太郎さんや桜井弘明さんのアニメをよく観て、作画に頼らず演出でこんなにも面白くできるんだなと思っていました。あと、僕はすごいなと思ったいろんな監督の下で働いたんです。先のお二人や『プリキュア』初代の監督の西尾大介さんや『宇宙ショーへようこそ』の舛成孝二さん、あと高松信司さんとか、その方たちと働いたのはすごく勉強になりました。

僕の心のヤバイやつ

ーー監督のルーツを見ているようです。

赤城:このあいだ、桜井さんに第1話の感想をいただいたんですけど、「緩急の急が足りないぞ」と言われてしまいました(笑)。いろいろとダメ出しされたんですけど、次に活かそうと頑張る気概をもらいました。

ーーそういう横の繋がりでのやり取りってあるんですね。

赤城:そうですね。やっぱり広く観ていただいて、意見をもらいたいというところがあります。

ーー表現の追求への熱量を感じます。

赤城:あとアニメ関係以外で、同じモノ作りとしては本田宗一郎さんが大好きです。何かを作り上げたとき、初心に戻りたいなって感じることが多いんです。本田宗一郎さんの言葉にも「今まで作ったものは全部捨てろ」という趣旨のものがあるんです。一度作り上げたものを持ち続けていると、新しいものを作り上げることはできない。なので、今までのものは全部捨てるというのは毎回意識しています。なかなか全部とはいかないでいますが(笑)。新しい表現には挑戦していきたいですね。

僕の心のヤバイやつ

ーーここまでのお話を聞いて、監督のもの作りへの考え方から今回の『僕ヤバ』演出の話まで、通底するものが何なのかが見えてきた気がします。

赤城:僕は『僕ヤバ』は本当に素敵な漫画だと思っています。それをうまく表現できればと思い、日々制作しておりますので、どうぞ最後まで観ていただければと思います。

■放送情報
TVアニメ『僕の心のヤバイやつ』
テレビ朝日系全国24局ネット“NUMAnimation”枠にて、毎週土曜深夜1:30~放送
BS朝日にて、 毎週土曜深夜1:00~放送
CSテレ朝チャンネル1にて、毎週土曜深夜2:30~放送
Prime Videoにて、毎週土曜深夜2:00~見放題独占配信
キャスト:堀江瞬、羊宮妃那、朝井彩加、潘めぐみ、種﨑敦美、岡本信彦、佐藤元、福島潤、豊崎愛生、田村ゆかり、島﨑信長
原作:桜井のりお(秋田書店『マンガクロス』連載)
監督:赤城博昭
シリーズ構成・脚本:花田十輝
キャラクターデザイン:勝又聖人
オープニングテーマ:ヨルシカ「斜陽」
エンディングテーマ:こはならむ「数センチメンタル」
音楽:牛尾憲輔
制作:シンエイ動画
©桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会
公式サイト:bokuyaba-anime.com
公式Twitter:@bokuyaba_anime 

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