『クイーン・シャーロット』『ヴァレリア』など 年齢や時代を超えるNetflix恋愛ドラマ3選
アラサー4人のその先とは? 『ヴァレリア』シーズン3
スペイン版『セックス・アンド・ザ・シティ』(以下、『SATC』)とも言われる『ヴァレリア』。キャラクターも『SATC』と被るところがあり、長年のファンはこちらのドラマも没頭できるはず。主人公のヴァレリア(ディアナ・ゴメス)は売れない小説家で、夫との関係もうまくいかずに離婚してしまう。しかし、ある男性と出会ったことがきっかけに、小説に自分自身のセックスライフを赤裸々に映しだすことで、小説家としての人気を取り戻していく。
そんなヴァレリアの親友3人もそれぞれキャラクターが異なり、恋愛への悩みも様々。ロラ(シルマ・ロペス)は性生活にオープンで奔放な暮らしをしていたが、不倫をしてしまう自分にうんざりしていた。ネレア(テレサ・リオット)は、親に言われるがまま弁護士になり、自分が同性愛者であることも言い出せずにいたが、シーズン3ではすでに親にも打ち明けており、自分がやりたい仕事に向かって努力を続けてきた。カルメン(パウラ・マリア)は、憧れのボルハ(フアンル・ゴンサレス)と付き合うことになったが、同僚でもあるため仕事上ではギクシャクしてしまうこともしばしば。しかし、理解し合ってついには結婚という、人生の大きなステップを踏み出そうとしていた。
シーズン3では、ヴァレリア、ロラ、ネレアは新たな恋愛に進むことを決意し、カルメンは結婚式に向けての準備に大慌て。今回は恋愛だけではなく、カルメンは会社で女性の社会的立場のおかしな点を叫んだり、それぞれが幼少期に経験してきた恋愛へのトラウマを振り返ったり、婦人科に検査を一緒に受けに行ったりと、30代前後の女性が悩みを抱える恋愛以外の事柄についてもフォーカスを当てられていた。
そして物語は、カルメンの結婚式で締めくくられる。カルメンの義母が放った言葉「何もかもが消えても、残るもの。それが愛」という言葉にすべてが詰まっている。それを聞いたヴァレリアは、自分の中に秘めている“愛する”という感情に向き合うことを決めるのだった。情熱的で官能的なシーンもかなり出てくるドラマだが、根本的な体の関係と愛するという気持ちはどう整理して考えるべきか、ヴァレリアが教えてくれる。
今どきのハイスクールライフを捉えたコメディ『私の“初めて”日記』
少し年齢層は下がるが、『私の“初めて”日記』もあわせて視聴すると面白いだろう。父親を亡くしたショックを抱え、高校デビューもできずにイライラばかりが募る高校生・デービー(マイトレイ・ラマクリシュナン)の“初めて”の恋愛にフォーカスを当てた物語。『セックスライフ・オブ・カレッジガール』(U-NEXTにて配信中)を手がけるミンディ・カリングの作品で、シーズン1、2では学校一イケメンのパクストン(ダレン・バーネット)との予想外な恋愛模様、友達だと思っていたベン(ジャレン・ルイソン)との思わぬ展開など、初めての恋愛にしてはかなり大胆でおかしな生活を映し出されてきた。シーズン3でパクストンと正式な恋人関係になったデービーだったが自信が持てずに別れることになり、新たにインド系のイケメン・デス(アニルード・ピシャロディ)に気持ちが揺れ動く。しかしそれも上手くいかず、最終的にベンと関係を持ってしまうところで終わっていた。
シーズン4では、またもやベンとの関係に悩む姿から始まる。デービーはあたふたしてしまい、高校生らしい恋愛ではなく、“愛”というより大人な問題に直面する。初めてを捧げたものの、ベンに「付き合ってて気楽で楽しい子といるべきだ」と言われてしまったデービー。その後もやんちゃな男の子とも付き合うが、悪すぎる行動に上手くいかなくなり別れることになる。結局、イケてるだけではなく心がつながる人は誰か、デービーは高校生活で学ぶことになった。
今回紹介した3作品は、それぞれ時代も年齢も国も異なるが、様々な形で本当の愛の姿を教えてくれている。恋愛に悩んだとき、少しの助けにもなってくれるだろう。
■配信情報
『クイーン・シャーロット ~ブリジャートン家外伝~』
Netflixにて配信中
出演:インディア・リア・アマルテイフィオ、アッジョア・アンドー、ミシェル・フェアリー
原作・制作:ションダ・ライムズ